実は今年初めて、大河ドラマを一年間視聴してみました。
というか、時代劇をまともに見ること自体が、これまでの人生ではほぼ皆無でした。
ではなぜ、このたび新たにチャレンジしてみたのかといえば・・・
特に深い意味はなく、今年のはじめに何かを貫いてみようと思い立ち、ルーティンとして続けてみた、いくつかのプロジェクトの中の一つにすぎません。
他のルーティンとしては、たとえば日本経済新聞をずっと読んでみたり、いくつかの雑誌を定期的に購読してみました。
それらについては、また別の機会で書くことがあるかもしれませんが、とりあえず今回は今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」についてです。
とはいえ、この作品が過去の大河と比べて面白い水準だったのかどうかは、前述のとおり比較することもできないため不明なのですが、全てを見終えた後で印象に残ったのは圧倒的に山本耕史さんの見事な筋肉で、それ以外にはちょっと考えられない程にぶっちぎりのインパクトでした。
個人的に過去に男性のボディに興味を持ったことはなく、そしてまた惹かれることもないだろうと高をくくっていたのですが、まさか大河ドラマで新たな回路が開かれることになるとは、完全に想定外で油断していたこともあり、あたかも一種の呪いのようにその後の生活にも影響を及ぼすことになりました。
映画「シン・ウルトラマン」でも山本さんが登場すると、いつその筋肉に力を入れて服を破き裂き、ムッキムキの肉体美を披露してくれるのかと期待していたら、結局おあずけを食らってしまい、なんだか損したような気分になってしまったのは、完全に大河ドラマの後遺症でした。
さて話を「鎌倉殿の13人」に戻すと、主人公は北条義時というお恥ずかしながらよく知らなかったルパン二世的な人物で、その宿敵として登場した後鳥羽上皇の方が、よく考えたらかつて愛読していた浅見光彦シリーズ(「独りビブリオバトル」)では後鳥羽上皇をテーマにした作品が2つもあり(「後鳥羽伝説殺人事件」「隠岐伝説殺人事件」)なじみもあったため、あえて立場を表明すれば、元々は自分は思いっきり後鳥羽上皇サイドの人間でした。
それが今回、敵対する側から後鳥羽上皇と対峙することになってしまい、それで思い出したのは、たしかまだ学生だった頃に、作家の筒井康隆先生が「無人警察」(角川文庫『にぎやかな未来』収録)という作品で、てんかんの患者さんに差別的な表現があると日本てんかん学会に抗議され、断筆宣言という一種のストライキをしていたのですが、当時は筒井先生の作品も好きで読んでいて、お恥ずかしながらまだてんかんという病気についての知識もほとんどなかったため、立場としては筒井先生寄り、すなわち反てんかん学会というポジションだったことです。
ところが医師になってからは、小児神経をやっていた時代などもあり、てんかんの患者さんを中心に診療をすることになり、完全にてんかん側の人になってしまい、立場が大きく入れかわったように感じたものでした。
ただ結局、それでも日本てんかん学会に入会はしなかったのは、たくさん楽しませてもらった筒井先生への義理立てだったのかもしれません。
最後に、山本さんが服を脱ぐのはストーリーの進行上は特に強い必然性はなく、無駄にその肉体を披露したがる三浦義村という役柄上の設定だったようなのですが、初披露の際には、あまりにも立派すぎる筋肉に目がくぎ付けになった結果、ある重要な本筋を見失ってしまった程でした。
今後ともよろしくお願いします。
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貫いた結果
2022年12月30日