先日、一説によれば岡山で最もディープな信者が多いと噂される、某TJSというラーメン屋を訪れてきました。
個人的にはあんまり得意ではないので、人生でも数回しか行ったことはないのですが、、、
ならばこのご時世に、あんな狭い店にわざわざ出向くなよ、という意見はごもっともで、全く返す言葉がありません。
なおその際、明らかに「常連」と思しき客を何人か見かけました。
なぜそう判断を下したのかといえば、客が「いつもの」と注文するより先に、店の人が顔を見るなり、
「〇〇ね」
とメニューを把握していたり、麺硬めなど自分なりにこだわった指定をするのは、ごく一般的になされると思いますが、
「チャーシューは脂が少ないのを」
なんて素人が口にしようものなら、即刻出禁になりそうなことを、さも当然のように頼んでいる人がいたからです。
ちなみにそこのラーメンは、昔ながらの中華そばという雰囲気で、今時珍しくかまぼこが入っているため、初心者ながら負けじと
「かまぼこはピンクが多いのを」
とリクエストしたい衝動に一瞬かられましたが、店の人の反応よりも、敬虔な常連の方々にギロッと睨まれるのが恐くて、泣く泣く躊躇することにしました。
ある店にどのくらい通ったら、はたして常連と認定されるのかは知りませんが、ここのような有名店の常連に到達した方々は、庶民とは次元が異なる雲上人と思っていたものでした。
しかし、このたび常連の方々の様子を見ていて、どうやら大きな考え違いをしていたことに気付いた次第です。
スープを飲んでは、
「ぷはー♡」
と全力でため息をつく常連もいれば、
「うまい!うまい!」
なんて煉獄さんばりに連呼する常連の姿もありました。
さらには食べ終わって帰り際に、
「来るたびに美味しくなってる、どういうこと?」
など、さらっと言い残して店を後にする常連もいたかと思うと、
「これ、皆さんでどうぞ」
と差し入れというか、もはや貢ぎ物までしている常連もいて、この壮絶なヨイショ合戦は、熾烈な常連界での番付争いなのでは?と勘ぐってしまいたくなるような状況でした。
やっと憧れの常連に到達したと思いきや、なったらなったでその先には、常連界でのピラミッドがどーんと存在していて、店側のご機嫌を必死で取り続けなければならないなんて、大変だな~と正直なところ同情してしまいました。
と言いつつ、実はぼくもお気に入りのラーメン屋はあり(「沈黙は金なり」「はたらくクルマ」「アンサング・ラーメン屋の最後の客」)、ひょっとしたらそこでは常連入りしているのかもしれませんが、
「もしかして、ぼくって常連ですか?」
と訊く勇気は、さすがに持ち合わせていません。
いちおう店に行くと、
「いつものでいいですか?」
と対応してくれるので、徐々に常連界に足を踏み入れつつあるのかな?と、うっすら期待はしていますが、某TJSとは違い普通の店であり、特に常連になったからといって、その先に序列は存在せず、したがってゴマすりバトルも開催されていない模様です。
ところで最近、プライベートで声をかけてくれた女性が全く分からず、お恥ずかしながら困惑していたところ、
「えー、分からないですか、〇〇ですよ~」
とラーメン屋の名前を出されて、ようやくそのラーメン屋の店員さんで、何度か会話したことがあったことを思い出したという、、、ちょっとした失態をさらしてしまったのでした。
ただ、それ以降はその店に行っても、なんとなく態度がよそよそしくなった気がして、うっすら常連が見えて始めていたのに、振り出しに戻ってまた一からやり直すのかと思うと、少々気が重い今日この頃です。
今後ともよろしくお願いします。
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常連への道
2021年09月30日