ある日知り合いがパソコンを使っていると、突然画面の下の方からペッパー(ソフトバンクのロボット)のようなキャラクターが登場し、
「きけん、きけん、このパソコンは今とてもきけんな状態です。すぐにここをクリックしてもんだいをかいけつしましょう、きけん、きけん・・・」
とクリックするように迫ってきたらしいのですが、
「いやいや、どう考えてもお前が一番きけんだろ・・・」
と冷静に判断し、パソコンに詳しい人に調べてもらったところ、パソコン内に100以上のマルウェア(悪意のあるソフトウェアの総称)が発見され、偽ペッパーはその中の一つだったとのことです。
しかし、こいつが騒ぎ出さなければ他のマルウェアが発見されることもなかったわけで、この偽ペッパーには感謝しないといけないかもしれません。
なお知り合いのパソコンがマルウェアまみれになっていた理由ですが、現在公開中の映画も無料で視聴できるサイトを日々求め続けた結果であり、そしてこの件以降も相変わらず危険なサイトへの出入りを繰り返しているのですから、なかなかのツワモノではないでしょうか?
さてこの話で思い出したのは、本ブログでも何度か登場している『宇宙』という散髪屋のマスターのことです(「お仕事」「鏡の中の悪夢」)。
2009年のゴールデンウィーク前に散髪をやってもらっていると、
「今度、ゴールデンウィークに中島美嘉が米子に来ますね」
とマスターが話しかけてきました。
「へえ、そうなんだ」
「実はですね、ぼくは音楽をやってる関係で、打ち上げに使う店を教えてもらっちゃったんですよ」
「へえ~」
「教えましょうか?本人に会えるかもしれませんよ」
正直なところ彼女には別に興味もなかったのですが、いちおうライブの日を確認してみると米子にいない日であることが判明したので、
「残念だけど、米子にいないや」
「そうですか、じゃ、ぼくは行ってきますね」
といったやりとりでその時は終わりました。
そして次に宇宙を訪れると、当然その時の話を向こうからしてくると思ったのですが、まったく触れることなく着々と散髪が進行していくので、
「ところで、こないだ言ってた中島美嘉の打ち上げはどうだったの?」
とこちらから訊いてみることにしました。
するとマスターはすっかり忘れていたといった顔をして、
「ああ、あれね・・・結局会えなかったんですよ」
「えー、そうだったの?」
「店は貸し切りだったらしいんですけど、周りにすごい数の人が押し寄せてたんで、どうも店を変えられちゃったらしいんですよ」
「そんなに」
「ものすごい人でしたよ、まったく・・・誰が情報漏らしたんでしょうね」
と彼は残念がるというか少し口を尖らせていましたが、
「いやいや、どう考えてもお前しかいないだろ・・・」
と思わず心の中でツッコんでしまいました。
来る客来る客にペラペラペラペラ話しまくり、ホワイトホールのように情報は吐き出されていたに違いありません。
今後ともよろしくお願いします。
クリニックブログ
犯人
2016年06月19日