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今度こそ

2017年06月29日

実は先日、久しぶりに「コロコロ」を買ってしまいました。
一応念のために断っておきますが、中学生~大人向けの「コロコロアニキ」の方ではなく、小学生向けの「コロコロコミック」の方です。
たしか最後にコロコロを買ったのは小学生の頃だったので、今回は約30年ぶりの購入でした。
買った理由はいたってシンプルで、付録の「コロコロドラゴン パスポート」が欲しかったから、これに尽きます。
せっかくなので本体の雑誌の方もパラパラと読んでみたものの、基本的に連載中の漫画ばかりで理解できるはずもなかったのですが、ただそれを差し引いてみても、つまり連載の最初から読んでいたとしても・・・大人の鑑賞に堪え得るような作品はとてもなさそうでした。
これは別に皮肉などではなく、昔からコロコロは潔い程に小学生をターゲットに絞った漫画雑誌であり、子どもにしかその面白さを味わえない作品であふれていたと記憶しています。
つまりコロコロがライバルと仮想していた「週刊少年ジャンプ」には老若男女が楽しめる作品や、時を越えて名作と謳われる作品が掲載されてきましたが、コロコロにはそんな作品は一切なく(もちろん藤子不二雄先生の作品は除いて)、掲載されている作品に夢中になれるのは子どもだけの特権のような印象です。
ぼくも小学生時代はかなり熱心なコロコロの愛読者でしたが、中学生になってコロコロを卒業してからしばらく経って前に好きだったコロコロの漫画を再読した時には、その作品の魅力が全く理解できなくなっていることに気付き愕然としてしまったことを今も覚えています。
それは個人的にたとえるなら駄菓子のような存在で、少年時代は近所の駄菓子屋で賞味期限も成分表示も何もない謎の駄菓子を10円とか20円で食べて幸せ気分に浸っていたものでしたが、今となってはそんな得体の知れないものは恐くて食べられたものではありません。
なので正体不明の駄菓子を食べながらコロコロを夢中で読んでいた時代のことを思い出すたび、あれからのぼくに訪れたのは成長などではなく、むしろ一種の特殊能力を失ってしまったのではないか?というちょっとした喪失感に襲われてしまうわけです。
さてそんなコロコロの中でもかなり記憶に残っている漫画に、ここで紹介するのも恥ずかしくて嫌になってくるようなクオリティなのですが、『ファミコンロッキー』という作品があります。
内容はタイトルのまんまで、ファミコンのゲームで主人公が敵と勝負を繰り広げていく話なのですが、この作品のすごいところは実際のゲームには存在しない荒唐無稽なウソ設定が怒涛の勢いで登場する点で、今の時代ではまず考えられないことです。
当時も子どもながらに「なんか怪しいな~」と半信半疑でしたが、残念ながら確かめる術もないため胸のもやもや感を抱えたまま、コロコロ卒業と同時に『ファミコンロッキー』も読まなくなってしまったのでした。
というわけで、『ファミコンロッキー』の全てがウソであったことを知ったのは大人になってからで・・・ある時急に気になってネットで調べてみて初めて確認したので21世紀になってからのことになります。
その『ファミコンロッキー』の数あるウソ設定の中でもぼくの人格形成に大きな影響を与えたのは、とりわけ有名な「スパルタンX」(任天堂)の伝説のウソ設定です。
「スパルタンX」を知らない人のためにゲームの内容を簡単に説明しておくと、タイトルのとおりジャッキー・チェンの映画をゲーム化したものになります。
捕らわれの身の女性シルビアを助け出すために、1階から5階まで進んでいく横スクロール型の格闘ゲームで、各階の最後にはそれぞれのボスとの対戦が待っているのですが、5階のボスであるミスターXを倒し見事シルビアを助け出すとどうなるのかというと・・・
再び1階からのステージが延々繰り返されていくだけではあるものの、レベルは確実に上がっていくので実際にはそんなに何周も続けることなどできません。
でも『ファミコンロッキー』ではゲームの達人同士の対決なので2人とも何周もクリアして、24周目のミスターXを倒した後で伝説のウソ設定の扉が開かれることになります。
シルビアを助け出そうとすると、なんと24周目のシルビアこそが実は真のラスボスで襲いかかってくるというまさかの展開となるのですが・・・
もちろんこの作品お得意の大ウソにもかかわらず、当時はすっかり信じ込んでいました。
ちなみに24周目の理由は、「X」が24番目のアルファベットだからとのことです。

この時ぼくが受けた衝撃は相当なもので、絶対に変わるはずのないものでも変わり得ることを深層心理に刷り込まれてしまったような気がします。
ちなみにぼくは「ルパン三世 カリオストロの城」をそれこそ軽く24回以上は観ていますが、何度観てもルパンが最初にクラリスの幽閉された部屋に忍び込み、カリオストロ伯爵とその部下に囲まれるシーンのヒリヒリするような緊迫感には、

「やばい、今度こそルパン殺されちゃうかも・・・」
と結構本気でドキドキしてしまいます、お恥ずかしながら。
それがこの『ファミコンロッキー』の後遺症のせいであることは間違いないのですが、何度観ても新鮮な気持ちでドキドキできるのは実は逆に得した気分なので感謝あるのみです。
今後ともよろしくお願いします。

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