岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

それぞれの勇気

2013年04月10日

先日たこ焼きを買いに行きました。
オヤジが1人でやっている小さなたこ焼き屋で、テイクアウトのみの店です。
先客はいませんでした。
鉄板にはたこ焼きが保温状態でスタンバイしていて、いつものように注文すると、オヤジは裏返して焼き具合を確認しながらトレイに乗せていきます。
そこまでは見なれた光景・・・のはずでしたが、珍しく店に電話がかかってきました。
意外そうな表情でオヤジはトレイを置いて電話を取り、肩と首ではさんで話しながら、手元のたこ焼き作業を再開しました。
「いや、うちは出前はやってないよ」
どうやら、出前の依頼のようです。オヤジしかいない店ですから、出前なんか行けるはずがありません。素人はこれだから困ります。オヤジ、うちはアマゾンじゃないって言っちゃえ、許す!
「店はわしだけなのよ」
ん~相手も思ったより食い下がります。人のたこ焼き注文中に、迷惑この上ありません。電話に気を取られて、たこ焼き選びの精度が落ちたらどうしてくれるのでしょう?オヤジ、お前がタコツボから出てきて買いに来い!って言っちゃえ、許す!
「あんたもしつこいな!」
あれ?
今、何か見えたけど・・・
あれはもしや・・・ごっくん(固唾を飲む音)、
世にいう口角泡、つまるところ『唾』というやつでは・・・
いや気のせい気のせい、でもオヤジ、ちょっと落ち着こうか。
「そんなところまでは行けん!」
ああ、今、完全に見えました・・・
口角泡がトッピングのように飛び散り、トレイのたこ焼きの上に降りかかっています。
島根県の水族館「アクアス」のシロイルカの有名なパフォーマンス、幸せのバブルリングならよかったのですが・・・残念ながら、オヤジの口角バブルです。
オヤジ、もうそのたこ焼き、その人に出前してもらってもいいよ。何だったら運んでもいいし、留守番でもするから。
もうヤケクソ!と涙目で呆然としていると電話が終わり、
「はい、お待たせしてごめんね」
と何事もなかったかのようにたこ焼きを渡されました。
ここで、
「すみません。どうやら電話でかなり興奮して話されていたので、たこ焼きに唾がかかったようです。作り直してもらえますか?」
と言える勇気ある人はいるでしょうか?
ぼくには無理でした。
実は以前にその店で失態を晒してしまった事情とも重なり、とてもそんなことを言えるだけの度胸はありませんでした。
その店には、たこ焼き以外にウインナーもメニューにあります。ある時、たこ焼きが新たに焼き上がるのを待ちながら暇だったので、
「中のたこをウインナーのたこにしてもらえる?」
と言ってみたところギロリとにらまれ、今度余計なこと言ったらタダじゃおかんからね!というような殺伐とした雰囲気になってしまったのです。
再び怒りを買ってしまい出入禁止になったら・・・出前の電話でもかけてみましょうか?
しかし作り直しを要求するのも勇気なら、口角泡トッピングのたこ焼きをあまんじて食べるのもまた勇気だと思います。
今後ともよろしくお願いします。

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