新年度になり新しく会社に入った方で、わりと相談を受けることがあるのが、
「入社して初めて朝礼があることを知り、順番に回ってくるスピーチに困る」
というものです。
なお、かなり多くの会社では、入社前にはスピーチ付きの朝礼があることは大っぴらにはなっておらず、苦手な人からすれば超重要事項のはずが、相当にないがしろにされている観は否めません。
ちなみにこれと双璧で、入社してから初めて知るピンチとして耳にするのが、独自に発行している社内誌があり、そこに書く原稿が定期的に回ってくる、というもので、以前にこれらを会計事務所の担当者に話したところ、
「・・・それ、ウチもです」
と苦笑いされ、やや気まずい空気が流れたのを今も覚えています。
それはさておき、朝礼のスピーチでは主に2種類あり、1つは自由に内容を自分で決めてよいタイプと、もう1つは決まった本を順番に読んでいくなど、内容が決まっているタイプです。
なんとなく前者の方が苦手な人が多い気がしますが、相談される人の中では意外と後者で困っている人が少なくなく、どもりなどで悩んでいる人の場合、内容が決まっている方がうまく話せていないかどうか、すぐに分かってしまうことなどが理由として挙げられます。
というわけで長い前置きになってしまいましたが、先日、大学の同窓会が10年ぶりに開催されたので参加してきました。
そこでは近況報告という3分スピーチがあることが事前に告知されていて、実はいっちょ前にあがり症の相談を受けているくせに、自身が人前で話すことを大の苦手としており、正直なところ、ちょっとした地獄だな～と気が重くなっていたものでした。
さすがに何の準備せずに手ぶらで臨むだけの度胸はなく、自分なりに案を練った結果、住宅ローンがらみの内容にしたのですが、他にも2人ほど
「住宅ローンが30年も残ってます」
と話していた人がいて堂々のネタかぶりに、むしろ自分の番が終わってからの方が恥ずかしくなってしまいました。
スピーチでは宗教、政治、野球はテーマにしない方がいいとのことですが、野球というのはもはや問題ない気がするので、あえてその代わりに住宅ローンを後任として推したい所存です。
さて個人的に開院して12年、そういえば最近は丁重な待遇をしてもらうのがすっかり当たり前と化していましたが、同窓会ということで雑な扱いを久しぶりに受けて、自分でも気づいていなかった慢心から目が覚めた思いでした。
今後ともよろしくお願いします。