オッカムの剃刀(カミソリ)とは?
たとえどんなに複雑に見えるものでも、余計なものを剃刀で削ぎ落していくと最終的にはシンプルな形に落ち着く・・・といったような意味です。
要はあれこれ難しくこねくり回すのではなく、まずは単純に考えてみたら?ってことですね。
さて、それは先日のことでした。
会話もそろそろ終わりかけた頃になり、
「ところで、絆創膏はどうしたんですか?」
と相手の方から訊かれました。実はその時、唇の近くに絆創膏を貼っていたのです。
「あっ、ひげそりでちょっと・・・」
と答えるとその人の目がキラーンと光り、
「なるほど、ということはひげそりには剃刀を使っているんですね」
と推理を披露されてしまいました。
「いえ、ぼくはシェーバーです」
と答えるとその人は少し意外そうでしたが、それ以上の追及はありませんでした。
たしかに口の周囲に傷がありそれがひげそりによるものであれば、カミソリ負け=剃刀を使った結果と考えるのがシンプルでありオッカムの剃刀です。
ところが残念ながら、今回は違いました。
お恥ずかしい話ですが真相は、唇のそばにニキビができていたのに強引にシェーバーで突き進んだ結果、絆創膏の出番となったのです、ガッデム!
ちなみにシェーバーは、パナソニックのラムダッシュという機種を使っています。以前はフィリップスというメーカーの、まるで女体のような艶めかしいフォルムのシェーバーでした。たとえば、こんな感じです。
このセクシーなフォルムは伊達ではなくて、実に機能的なものでした。特にヘッドの可動域の広さは圧倒的で、普通のシェーバーではそり残してしまう場所にもまとわりつくように密着してくれる、超絶技巧のテクニシャンだったのです。
初めて使った時からすっかり虜になってしまい、ヘッドのジョイント部分の柔軟性には思わず、「シェーバー・オブ・ジョイトイ」の称号を与えたい衝動にかられた程でした。しかし、そのエロテロリストなシェーバーとの蜜月も長くは続きませんでした。ある時、致命的な問題に気付いてしまったのです・・・
パワーが弱い。
たしかに他のシェーバーではそれない場所にもヘッドが当たるので、
「こんなの初めて♡」
という感動はありました。しかし、いかんせんパワー不足のために肝心のひげが十分にはそれていなかったのです。
そこで現在のラムダッシュにしてみたのですが、こいつのパワーはスゴイです。もちろん、フィリップスに比べると届かない場所こそあるものの、当たった場所は男性的なパワーでゴリゴリジョリジョリ、こいつの通った後にはペンペン草も生えないのでは?と思える程です。
ちなみにラムダッシュはこんなフォルムで、女性的なフィリップスに比べると男性的です。
ただ今回に関しては、そのパワーが裏目に出てしまったようです。もしもフィリップスだったら、絆創膏のお世話にならなかったかも?と思うとちょっと複雑な気持ちです。
ところで、このまま終わるとオッカムの剃刀を否定していると勘違いされるかもしれません。それはぼくの本意ではないので、最後はきっちり持ち上げて締めたいと思います。
以前に、香川在住の男性から坂出インターから高速道路に乗る際に覆面パトカーが覆面をつける瞬間、つまり上のランプを格納して普通のセダンに戻る瞬間を見たと聞きました。それからしばらくして、また別の香川在住の女性からも、やはり同じく坂出インターで覆面パトカーがセダンに変身するところを見たという話を聞きました。それでぼくは、
「坂出インターは、覆面パトカーの変身スポットらしいよ」
なんて人に話していたのですが、後にそれが間違いであったことを知ります。
実はその2人は付き合っていて、仲良くドライブ中に同じ瞬間を見ていたのでした。オッカムの剃刀でシンプルに考えていたら、もっと早く2人の関係に気付けていたのに・・・
と思うと、少し残念でした。
今後ともよろしくお願いします。