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N君のこと

2018年09月09日

先日、女子高生の患者さんと話していた時のことです。
彼女は科学が大好きないわゆるリケジョで、おのずと話題は高校の理科の先生のことになりました。
するとその時、ぼくの脳裏をある男のことがよぎり、
「そういえば、ぼくの小学校から高校の同級生でも1人、高校の理科の先生をやっているヤツがいるよ」
と言いながら、彼の名前をネットで検索してみたところ・・・
なんとその男は思いっきり、彼女の高校で教鞭を執っているではありませんか!
「うわっ、そいつは今君の高校にいるよ、Nっていうんだけど分かる?」
と恐る恐る確認すると
「えっ!?N先生ですか・・・分かりますよ、むっちゃイイ先生ですよ」
と返答があったので、
「あっそうなんだ、へー、そうそう、あいつは昔からイイ先生になると思ってたよ」
と適当に取り繕いながら、本当はN君の情けない過去をあれこれと暴露してやろうかと一瞬は企んだものの、そんなことをしたら彼の教師生命に関わるかなと考え直し、すんでのところで思い止まった次第です。
というわけでN君、ぼくの自制心には大いに感謝してくれたまえ。
君は良い友人を持って本当に幸せだ、全くもって羨ましい程だよ。
ちなみにN君は一度だけこのブログにも登場してくれていて(「ハードボイルドな日々」)、彼とは小学校から高校まで同じ学校だったものの、小中学校の時は同じクラスになったことが全くなく、高校2年生の時に初めてクラスメートになりました。
当然お互いに存在は知っていたのですが、ぼくらが意気投合した最も大きな共通点の1つは・・・
2人とも基本的に宿題をしない主義だったことです。
ではどちらがより宿題をしなかったかといえば、科目でいうとぼくはほぼ全科目の宿題をしないオールラウンドプレイヤー、医師でいうとジェネラリストだったのですが、ただ1つだけ宿題をしていないと授業を受けさせない、ヤバい数学教師の宿題だけは日和見的にこなしていました(詳しくは「年末に思うこと、思い出すこと」をご参照下さい)。
一方N君はぼくに比べるとはるかに宿題をしない科目は限定されている一点豪華主義者、医師でいうとスペシャリストでしたが、このぼくですらやってきていたイタい数学教師の宿題をほとんど無視するというツワモノぶりでした。
そんなわけでこの勝負の判定は悩ましいところですが、くだんの数学教師の宿題をやっていないと、他の生徒であれば少しお説教があって教室から追放されるところが、N君の場合はあまりに日常茶飯事だったため、
「N」
とだけ先生が小さく呟くと、阿吽の呼吸でN君が部屋からささっと出て行くという息の合った連係プレーには、無駄の一切ないある種の様式美すら感じさせる程だったので、それも加味して考慮するとN君の方が一枚上手だったような気がします。
あとN君といえば思い出すのは修学旅行のことで、宿で同じ部屋になりたしかその夜はテレビで「ザ・フライ」というハエ男の映画をやっていてました。
部屋の他の人はそれを見ていたのですが、せっかくの機会に見るような作品でもないかなという結論に達し、ぼくとN君は風呂に入ることにし大浴場に到着したのですが・・・
なんと男子は学年で250人程いたにもかかわらず、いたのはぼくら2人だけの貸し切り状態でした。
これはゆっくりできてラッキーだなあと思い、喜びを分かち合おうとN君の方に目を向けると、
「よっしゃー!!!」
とすっかり舞い上がった彼は一目散に風呂に飛び込み、バタフライで泳ぎ始めたので愕然としてしまいました。
ったくガキじゃないんだから・・・と果てしなく呆れつつも
「いやいや、泳ぐにしても普通は平泳ぎだろっ!」
と一応は友人のよしみでツッコみながら、部屋のテレビではザ・フライ、風呂にはリアルなバタフライというフライ地獄の状況を嘆いたものの、もちろん彼は生まれたままの姿だったので、背泳ぎじゃないだけましだったかなと思い直し、その夜は更けていったのでした。
それから最後にぼくのいた高校では、各階ごとの階段の近くに小さな謎の黒板が設置されていました。
今となっては何のための黒板だったのかは思い出せませんが、もう時効なので白状すると、ぼくとN君は放課後にひっそり残り、その黒板に先生の悪口などを書いていたものでした。
するとある時、その作業を行っている最中に
「おい、お前ら何をやってるんだ!」
と背後から大きな声をかけられたことがあり、その時ぼくらは振り返ると両手を左右に振りながら
「いえ、ぼくらじゃありません」
と咄嗟にかなり無理のある言い訳をしてしまい、現行犯を見つけた先生の目を点にさせたものでしたが、今回のブログがもしN君の知るところとなり、
「余計なこと書くんじゃないよ」
とお叱りを受けることがあっても・・・
「いや、ぼくじゃないよ」
とあの頃と同じようにしれっと答えれば、彼ならきっと許してくれるはず、と信じてやみません。
今後ともよろしくお願いします。

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