「あいたたた・・・」
あまりツイてない日というのはあるもので、朝から駅で女性に足を踏まれてしまいました。
しかもよりによって、ハイヒールのヒール部分で。
一方こちらは、ウォルディーズというメーカーの穴あきのクロッグ・サンダルでした。
クロッグというのは元々は木靴という意味で、最近では木靴のような形の履き物もそう呼ばれます。
ぼくは普段から穴あきのクロッグ・サンダルを愛用していて、有名なクロックスよりウォルディーズの方が好きです。しかし見事なまでにクロックスに駆逐されてしまい、今ではウォルディーズなんて全く見かけなくなりました。
ですので、ウォルディーズって何?という人もいるかもしれませんが、実はこの手のサンダルの元祖はウォルディーズの方なのです。個人的にはデザインも履き心地もウォルディーズ派なので、この現状は残念でなりません。
しかしそれに匹敵するぐらい残念だったのは、ヒールがサンダルの通気穴をドンピシャで貫通して激痛に見舞われてしまったことでした。
通気穴はクロックスでは小さな丸い穴ですが、ウォルディーズではもう少し大きくて四角形のような形です。おそらくクロックスであればヒールが通気穴を貫通はせず、今回のような悲劇は避けられたと思います。ウォルディーズが淘汰された理由が、少し分かった気がしました。
その後に電車が到着し、足も痛かったので座ることにしました。クロスシートの通路側の席を何とか確保しましたが、ドア付近だけでなく通路にも人が立っている程の混み具合でした。
それから電車が出発し、まだ足が痛むな~と嘆いていたところ、急に窓側の中年女性が立ち上がりました。彼女はぼくの前の狭いスペースを抜けて通路に出ると、ドア付近に立っていた障害がありそうな女の子に声をかけ、自分がいた席に座るよう促しました。
素晴らしい美談だとは思いますが、とにかく人が多くてその女の子がこちらに来るのも一苦労でした。さらにその女の子は大きなリュックサックを背負っていて、それでぼくの前を通るのはちょっと無理そうでした。通路に出てスペースを空けようかとも思いましたが、びっしりと通路にも人が立っていてそんな余裕はありません。それならと窓側への移動も検討しましたが、その女性は自分がいた席に座るように指示しているので、ぼくがそこに座るのは違うような気がしました。
結局その女の子は戸惑うぼくの前を通って窓側に到着したのですが、負傷している足を踏まれないように注意しすぎるあまり、リュックをかわすことに失敗して当たってしまいました。
そのことで女の子が謝ってくれたので周囲から、
「そのくらい、よけてやれよ」
「そもそも通路側が席を譲らなかったから、罰だね」
「死ね」
などと思われているような気がして、生きた心地がしませんでした。
おかげで足の痛みもすっかり忘れていたのは、不幸中の幸いでしたが・・・
さて、こんな風に自信をなくしてしまいそうな時には、毎週日曜日の朝に放送されている「サンデーモーニング」のスポーツコーナーを見ることにしています。
この番組をご存知ない方のために簡単に説明しておくと、御意見番として出演している張本勲氏、通称ハリーが1週間のスポーツニュースを野球を中心に『喝!』や『あっぱれ!』で評価していきます。
彼はまさに『狭量』ということばの申し子のような人で、この人の狭量っぷりを見ていると、
「こんな人だって、生きているんだ」
と自信を回復することができます。
たとえば日本時代のダルビッシュが快刀乱麻のピッチングをした時、
「喝だあ!」
当然、周囲は驚きます。
「髪が長い、髪を切れ!」
たとえば長いブランクから復帰して久しぶりの勝利に涙する選手に対し、
「喝だあ!」
やはり、周囲は唖然とします。
「泣くんじゃない!」
ちなみに本人は、被災地で催された野球教室で号泣していました。
そして狭量とはベクトルが異なりますが、最近のハリーのことです。
楽天の田中将大投手が21連勝の記録を作ったニュースに対し、司会者から田中投手の攻略法を訊かれたハリーは、
「たとえばバッターボックスで、うんこ・・・」
ブーッ!!!!!!!!!!!!!
うどんを食べていたら、間違いなく鼻から出ていたところでした。
よかった、朝からうどんの香川の人じゃなくて、と一安心していると、
「バッターボックスで、うんとホームベースに近付いて立つとか」
あぁ、そういうことですか・・・てっきり放送事故かと心配しました。
ハリーは、愛すべきヒールだと思います。
今後ともよろしくお願いします。
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2013年08月25日