岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

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初雪

2016年01月19日

少し前に列車に乗っていた時のことです。
ある朝駅に停車中の列車のクロスシートの席に座ってしばらくすると、向かいには真っ赤なお鼻をズルズルいわせているオッサンが腰を下ろしました。
屋内外の温度差で鼻がズルズルする場合は「寒暖差アレルギー」と呼ばれることがありますが、アレルギー反応にはアレルゲンという原因物質が必要なので寒暖差でアレルギーが起こることはなく、この呼び方は単なる俗称で正式には血管運動性鼻炎といいます。
それはともかく彼はティッシュを取り出すと怒涛の勢いで鼻をかみ始め、使い終わったティッシュは丸めて左手で握っていました。
それからまたたく間に彼の左手はティッシュの玉でいっぱいになっていましたが、その手も器用に駆使して右手を手伝いながら、それでもなお鼻をかみ続けていました。
やがて鼻水を出し切ることに集中力を使いすぎたのか、やや力の緩んだ左手の指のすき間からティッシュ玉がついに1つ転がり落ちると、せきを切ったように残りのティッシュ玉も後に続き、残念ながらぼくの靴の上に雪崩のように降りかかってきました・・・
それではここで一曲お聴き下さい、浜田省吾で
『悲しみは雪のように』。
♪ぼくの足にティッシュ玉が♪雪のように積もる朝には~
以上、ぼくの今年の初雪でした。
さて今年は暖冬でしたが、いよいよ冬到来って感じになってきましたね。
岡山は雪がめったに積もらないので子どもの頃は雪景色になるとウキウキしていましたが、気付けばいつしかウンザリするようになっていて、大人になったことを実感し少し寂しく感じたものでした。
ただ鳥取県の米子市では雪は極めて日常的なものであり、雪が積もっていても子ども達が実にクールな対応で淡々としていたのがとても印象に残っています。
山陰では積もるレベルの初雪は大体12月に入ってからですが、2009年は例外的に早く11月3日に大山が銀世界となりました。
なぜそれを覚えているのかというと、その日ぼくは朝から高速道路を使って車で香川県まで行かないといけない用があったからです。
早朝に出発し米子市内を抜けてインターチェンジに着くと、まったく想像すらしていなかった米子道通行止めの表示を見て愕然としてしまいました。
米子市内は雪どころか快晴で、ゲートの向こうに見える高速道路は雪の気配もなく、インターチェンジの職員に「大山が雪のため」と説明されても頭が事態をなかなか整理できませんでした。
百歩譲ってもせいぜい雪用タイヤ着規制のレベルであり、どう考えても通行止めはやりすぎではないかと納得しがたいものがありました。
結局その日通行止めが解除になったのは午後になってからで、約束の時間には大幅に遅れてしまい大変に迷惑をかけてしまったので、この日付のことは今でも強く記憶に刻まれているというわけです。
ちなみに高速道路に雪用タイヤ着規制レベルの雪が積もった場合は、除雪作業とタイヤをインターチェンジなどでチェックする人員が必要になります。本格的な雪のシーズンであれば予報を見ながら待機しているので雪用タイヤ着規制で対応可能な積雪でも、今回のように想定外の雪だと人員も集められず対応できないので通行止めにして自然に雪がとけるのを待つんだそうです・・・後で分かったことですが。
それはさておきその数年後、親戚のおじさんと話している時に話題が大山のことになりました。
「そういえば何年か前に大山まで紅葉を見に行ったら、たまたま雪が積もっていて。雪の大山と紅葉っていう珍しい組み合わせで、すごく得した気分だったよ」
と言われると
「あっそれ2009年11月3日ですね」
と反射的に答えていました。
彼は少し驚いたようでしたが
「よく覚えてるね・・・いや~でも、本当にラッキーだったな~」
とその後も繰り返し口にし、記憶の中にあるその稀な風景を回想し懐かしんでいるようでした。
一方こちらは大遅刻してしまいひたすらに謝った、忌まわしい記憶が甦ってきていました。
同じ一つのできごとも、立場が違えばまったく異なる意味を持つことがあるということですね。
今後ともよろしくお願いします。

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