岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

フィンガーボウルの憂鬱

2016年11月29日

トングとトレイを使って自分で取るセルフサービスのパン屋さんでは、あまねく日本中の店でトレイは下向きに重ねて置いてあるのが理想と信じてやまないのですが・・・
意外にも下向きに置いてあるパン屋さんは少数派なので、ぼくがポンパドウルが好きな理由はまさにその一点にあるといっても過言ではありません。
先日も患者さんでパン屋さんの開業を考えている人に、「トレイは下向きに重ねて置いた方が清潔感があっていいですよ」と助言すると喜んでもらえたので、調子に乗って今回は日本全国の飲食店にさらなる提言をしてみたいと思います。
一般的に飲食店で手が汚れた時のために供されるものといえばおしぼりですが、個人的にはおしぼりはあまり好きではありません。
たとえばカニ料理で手がベタベタになっている時にはおしぼりなど役に立たず、そんな時にはやっぱりフィンガーボウルの出番です。
なのでカニを食べに行った時に、ちゃんとフィンガーボウルが置いてある店だと
「分かってるじゃん!」
とカニ料理の方も安心して任せることができますが、おしぼりしか見当たらない店だと
「あんまり分かってないかも?」
と本当に日本のカニかどうかすら心配になってしまい、おしぼりの気配すらない店だと
「何も分かってない!」
とはたしてカニなのかさえも怪しくなり、一気にカニカマ疑惑が急浮上してくる程です。
というわけで大は小を兼ねるの発想で、どんな飲食店でもフィンガーボウルがあると高級感も出るし、それ自体はそんなにお金のかかるものではないので、なぜ置いてある店がほとんどないのか疑問で仕方ありません。
どうか飲食店の皆さん、ぜひともフィンガーボウル導入のご検討を!
ただ現実的にはおしぼりすら出てこない飲食店も結構あるので、そんな店ではグラスに入った水を即席のフィンガーボウルにすることにしています。
つい先日入った店もそんな店だったので、手の汚れが気になるとグラスの中に指を浸していたのですが、ちょうどそのまっ最中を別のテーブルで水を注いでいたスタッフに目撃されてしまいました。
一瞬しまったと思いすぐに指を水から出すべきかと迷ったものの、しかしそもそもの原因はこの店におしぼりすらないことなのだし・・・と開き直ることにし、あえてそのまま水の中に指を入れっ放しにしていると、その間ずっと目が合っていたそのスタッフがこちらの方にやってきて、
「お水、おつぎしましょうか?」
と声をかけられたのはちょっとした驚きでした。
「お水、入れかえましょうか?」
ならフィンガーボウル代わりに使っているのが伝わったということなので理解できるのですが、
「お水、おつぎしましょうか?」
だとまるで指で水を飲んでいるみたいだからです。
別にごく普通の指なので口なんてついてないのだから水が減るわけないだろう・・・と思いながら、そういえば前に「頑張って」という回で書いたエピソードの時にも、あたかも手に目でもついているかのようなことを言われた記憶が甦ってきました。
いちおう念のため断っておきますが、ぼくの手には地球外生命体はパラサイトしていません。
とまあそんなわけで、足湯よりもフィンガーボウルの方が好きな今日この頃です。
今後ともよろしくお願いします。

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