今回の新型コロナの影響で患者さんの受診が減り、ほとんどの医療機関では前年と比べて収入も落ちているそうです。
耳鼻科で開院している先輩のところも、ご多分にもれず不況らしく(残念ながら当院も同様ですが、その代わりにこんな時だからこそ得られたものもあります)、
「でもお前のところは、むしろ増えているんじゃないか?」
と嫌味っぽく訊かれたのですが、表題にもした「コロナうつ」のような、今回の新型コロナを理由に受診する患者さんは現時点では全くいません。
もちろん通院中の方々の中には、自営業で大きな損失が出てしまい、危機的状況に立たされている人たちもいます。
ただそれは、この未曽有の事態に見合った苦悩で、決して病的な類の悲嘆ではありません。
いわば健全に落ちこんでいる範囲内のものであり、個人的には本当に辛い状況に際してもポジティブすぎたり、鈍感すぎるのは必ずしも良いことではないと考えます。
たとえば、ツイてないことが連続して起こっても、
「マイナス × マイナス = プラス」
なので逆にラッキー!とばかりに口笛を吹いたり、となりの席の女の子が落とした消しゴムを拾ってあげたら、
「それあげる」
と言われ、思わずニンマリしている方が正直心配です。
というわけで、
「では先生のところは、マスクつけすぎで耳が痛いって人が来ますか?」
と質問で返してみると、
「いや、それはいないな」
との回答だったので、
「それと同じですよ」
と説明すると、
「なるほど」
とすぐに納得してくれたので、やれやれと一安心しました。
さて、それではそのうち、マスクつけすぎで耳が痛い、店のアクリル板に激突して鼻を打った、コロナ禍で暇なのでガムを噛み続けていたら味がしなくなった、などを主訴に、彼の耳鼻科に突撃してみようかと検討中です。
今後ともよろしくお願いします。
クリニックブログ
コロナうつ
2020年05月29日