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お土産の謎

2019年12月31日

少し前にある人から
「本当にゴメン」
と前置きなく唐突に謝られたので、意表を突かれてしまいました。
その人は女性で、彼女から頭を下げられる覚えは特になかったため、
「どうしたんですか?」
と確認してみたところ、
「実は、東京に行ったら新宿でメチャクチャ美味しいフィナンシェを見つけて。先生にもお土産にと思って買ってきたんだけど・・・我慢できずに食べちゃった!本当にゴメン」
と改めて深々と謝罪されたのでした。
ん~なんだそりゃ、というのが最初の率直な感想でしたが、次の瞬間、
「そういうことか!」
と長年の謎が氷解して軽い興奮状態に入っていたため、周囲から見ると目がキラーンと光り口元がニヤリと笑い、少し危ない人といった感じにうつっていたかもしれません。
昔から「名物に旨いものなし」なんて言葉がありますが、お土産についても同じような印象がとても強く、お土産のお菓子でそこまで感動したことなどない、というのが正直なところです。
しかしお土産のお菓子があまりにも美味しすぎると、相手に渡すまで我慢しきれずお土産ナシという事態に陥ってしまい、人間関係のトラブルがあちこちで頻発する可能性があります。
というわけで、現在のお土産のお菓子の味は、美味しすぎず不味すぎずで、ちょうどよい絶妙のあんばいなのかもしれません。
かくいう自分も少年時代は、遠足の前におやつを結構食べちゃってる派でした。
なので年末についた餅を、劣化していくだけなのに正月まで待てる人には敬服するしかないのですが、人にあげる前に手を付けてしまう程に魅力的なお土産には、目下のところまだ出会っておりません。
ひょっとするとあまりにも美味しすぎて、ここまで届いていないだけなのかもしれませんが。
今後ともよろしくお願いします。

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