先日久しぶりに大阪を訪れたのですが、その復路でお気に入りのたこ焼き屋に寄り、買って帰ることにしました。
そこは夜の10時まで営業している店で、到着したのは9時40分頃、閉店時刻も迫っていたため、鉄板で保温されている分で終わりとのことでした。
やや多い気もしましたが、めったに来ることもできないので残り全部を注文し、トッピング待ちをしていたところ、いい感じに酔っぱらった中年男性が来店しました。
ただ、前述のとおり、たこ焼きはもはや売り切れているため、
「すみません、もう終わりました」
と店の人が対応したところ、
「えーっ、ホンマにィ・・・残りカスでもええから、なめさせてえ!」
とそのオッサンが食い下がったのは、ちょっとした衝撃でした。
フードロスの観点からは極めてSDGsな人なのかもしれませんが、トランプ元大統領並みの往生際の悪さで、何事もあきらめが肝心という思いを改めて強くしました。
ちなみに昨年は人生で初めて大河ドラマを1年間通して見続けましたが(「貫いた結果」)、ここだけの話、後半は今さら脱落したらここまで見てきた分が無駄になっちゃう、というほとんどコンコルド効果* (もしくはサンクコスト効果)と呼ばれる心理現象の権化でした。
そんなわけで今年も大河ドラマを見始めたのですが、かなり早い段階で引き際についての考えが具体性を帯びるようになっていきました。
昨年の二の舞を避けるべく、どこで区切りを付けるべきか機をうかがっていたのですが、そういえば好きな戦国武将をしいて挙げるとすれば、武田信玄であることに気付いたのでした。
好きな理由は、お恥ずかしながら北海道の「らーめん信玄」というラーメン屋に愛着があるからだけなのですが(「北海道対決」)、何はともあれ信玄退場が絶妙のタイミングと判断しました。
というわけで信玄が舞台から去ったのを契機に、まんまとドロップアウトさせていただいた次第です。
なお冒頭のたこ焼き屋には塩のみのトッピングもあるのですが、天ぷら以上にたこ焼きまで塩でいただくようになったら、すごろくでいうところの上がり、学校における卒業といった感じかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。
* ある対象への金銭的・精神的・時間的投資を続けることが損失につながると分かっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態のこと