岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

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距離が近すぎて

2024年03月12日

最近つねづね思うのは、今の時代の子どもでなくてよかった、ということです。
お恥ずかしい話、少年の頃にスマホと出会っていたら、その誘惑を断ち切って勉強などの努力にはげむ自信が全くなく、結果として医師にもなれていなかった可能性が極めて高いと認めざるをえません、、、
と、そんなネガティブな切り口ではなく、逆に自分が生まれ育ってきた時代の子どもでよかった、と改めて感じることがあります。
たしか小学1年生の時に「Dr. スランプ アラレちゃん」のアニメが始まり (今さらですが、このたび初めてマンガが「Dr. スランプ」で、アニメが「Dr. スランプ アラレちゃん」であることを知りました)、ちょっとした衝撃を受けたものでした。
それまでに自分が見ていたアニメと比べ、アラレちゃんは髪の毛が一本一本描かれているのにすんなり馴染むことができず、結果として一時期、麺類を食べることができなくなってしまいました。
そんなわけで、まさにガチのスランプだったのですが、家はともかく学校の給食は苦労したものでした。
最終的にはモンブランまでNGになってしまったものの、気付けばいつしか麺も食べられるようになり、というかスランプ前よりもさらにパワーアップした麵好きになり、またDr. スランプも普通に楽しめるようになっていました。
そして時は流れて小学4年生の時、アニメ「Dr. スランプ アラレちゃん」はまだ続いていましたが、原作のマンガ「Dr. スランプ」の方は週刊少年ジャンプでの連載が終わり、なんだか少し寂しさを覚えたものでした。
というわけで、1年生と違い4年生になると多くの人がジャンプを読むようになっていました。
ただ当時の岡山では、コンビニはまだ普及していなかったので朝に手に入れることはできず、月曜日に発売されるジャンプを小学生が読めるのは、基本的に学校が終わる放課後を待たなければなりませんでした。
ところがそのクラスには家が喫茶店をやっている女子がいて、彼女が店に届くジャンプを学校に持ってきていて、休み時間などにこっそり回し読みをさせてくれていて、これが月曜日のこの上ない楽しみとなっていました。
しかしある時、その女子とケンカしたぼくは、
「あんたになんか、ジャンプ見せてやんない」
と、その至福の月曜日の回しジャンプから外されるという痛恨の事態となってしまったのでした。
ジャンプはクラスの中を席順に回って読まれていましたが、自分のところは思いっきりジャンプして外されるようになってしまったので、近くを流れていくのを横目でチラチラ見ながらも
「ジャンプなんか全然悔しくない、なぜならアニメージュ派だから、宮崎駿最高」
など精一杯のやせ我慢で強がり耐えていました。
そんな中ある日もチラっととなりの席の人が読むジャンプに目をやった際、思わず二度見してガン見してハートを射抜かれてしまったのが、明らかにDr. スランプの鳥山明先生の見たことない絵が描かれた表紙で、待望の新連載開始であることは間違いなく、
「こっ、これは読みたすぎる・・・」
とあっさり白旗を挙げ、その女子に頭を下げて、ありがたくジャンプを拝読させてもらいました、、、
そうです、この作品こそ、もちろんあの「ドラゴンボール」です。
この作品は、小学4年生の時から多感な時期を越えて、ずっと少年マンガのど真ん中の面白さで堂々あり続け、大学3年生の時に立ち読みばかりしていた大学の前の本屋で、最終回を立ち読みで見届けることができ (「立ち読みの矜持」)、自分の中で一つの区切りがついた、そんな原点のような物語でした。
これは昨今問題になっている原作の別メディア化とも関連するかもしれませんが、原作はやはり原作で楽しむのが一番であり、鳥山明先生の作品についてはマンガのクオリティが圧倒的に高いので、アニメではなくオリジナルに尽きるな、というのがマイ一家言です。
あまりにも王道すぎたり、距離が近すぎるがためにその偉大さが見えなくなって、好きなマンガを選ぶ時にもうっかり見落としていた気がしますが、リアルタイムで愛読できて本当に幸せでした。
今後ともよろしくお願いします。

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