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ちいさい秋みつけた

2018年10月05日

岡山市では今年の夏、豪雨災害の影響で花火大会が中止となりました。
個人的には最初から行く気はなかったので、
「花火がないと夏って感じがしないな~」
といった風に残念に思うことも特にありませんでした。
しかし・・・
今年はノーベル文学賞の発表がないらしく、それに代わり今年限りで立ち上げられた「ニュー・アカデミー文学賞」の候補を村上春樹氏が辞退したとなると話は別です。
最近では村上春樹氏がノーベル文学賞を逃し、カフェに集まっていたハルキストたちが
「やれやれ」
なんてボヤくのを見るのが、すっかり秋の訪れの風物詩として定着してきていました。
ということは今年はちいさい秋を見つけられないわけで、それがまことに残念で仕方ありません。
ぼくは初期の村上春樹氏は大好きなのですが、途中から・・・具体的には登場人物に名前が付くようになってからの作品は(たとえば「ノルウェイの森」とかです)、どうも自分には合わなくなってきたような印象でした。
結果として、その後は徐々に読まなくなっていき、ここ近年の作品にいたっては手にも取っていないという有様です。
そんなわけで、彼の作品の中で最も好きなのは、なんだかんだでデビュー作の「風の歌を聴け」になります。この作品には軽薄なラジオのDJが登場しますが、普段はおちゃらけた”犬の漫才師”である彼が、一度だけ真面目に本音を語る場面があり、これがなかなかに感動的なのです。
実はこれまでの本ブログでは、本音をそのまま語ることは避けてきていました。
しかし今回はいつもとは趣向を変え、素直に本音を述べさせてもらえたらと思います。

先日、元モーニング娘の女性が、飲酒運転でひき逃げをしたことが話題になっていました。
たしかに今回の交通事故そのものが論外であることは間違いありませんが、個人的にはそこまで騒ぐ程の事件ではないように思えてなりませんでした。
もちろん被害にあわれた方々は、本当にお気の毒に存じます。
しかし交通事故そのものとしては、成人が飲酒運転で、速度超過を犯し、人をはねて現場から逃走したものの、幸いなことに死者は出ておらず、最終的には逮捕されて、実名報道もしっかりとされているわけで、加害者が有名人であることを除けば、そこまで珍しいケースでは決してありません。
初めて知った時からずっと許せないと思い続けている交通事故がぼくにはあり、それと比べると申し訳ありませんがどうしてもかすんでしまうのです。
その交通事故とは、たとえばWikipediaでは『岡山市短大生交通死亡事故』として記載されているものなのですが、この事件は・・・この法治国家の日本で本当にこんなことがあったのか?と思わず目を疑いそうになるくらい、加害者も、警察も、検察も、そして報道も、全てがあまりにも酷すぎて、ぼくは怒りで震えてしまう程の衝撃を受けたものでした。
ご存知ない方のために事件の概要を簡単に紹介します。

2002年12月21日午後10時50分頃、自転車に乗っていた女子短大生が軽自動車にはねられ、翌22日には死亡してしまいました。
その後、軽自動車を運転していたのは当時18歳の高校生で、制限速度を20kmオーバーで運転していたことに加え、未成年でありながら飲酒運転をしていたことが判明しました。
にもかかわらず2003年8月に検察は加害者を不起訴とし、それを不服とした遺族の申請を受けた検察審査会が2004年4月に不起訴不当の議決をしましたが、検察は再び2回目の不起訴としました。
その後、時効に至るまであと2回、つまり計3回の検察審査会が開かれ3回とも不起訴不当の議決が出ましたが、検察は全て、すなわち計4回も不起訴としたのでした。

同じように検察審査会が3回起訴相当の議決をして、結局は検察が不起訴にした事件としては「明石花火大会歩道橋事故」が有名です。
ただ、この事件に関しては渦中の元副署長は実名報道されているので、一定の社会的制裁は受けているようにぼくは思いますが、岡山の交通事故の場合は加害者は全く社会的制裁を受けていません。
なにより明石の花火の事故は状況がかなり複雑で、本当の責任の所在がどこにあるのか分かりにくい面がありますが、岡山の交通事故の場合は誰が悪いのかは明白です。
未成年が飲酒運転したあげくに、速度オーバーでひき殺しているんですよ・・・
それなのにこの加害者は起訴にすらならず、なんの社会的制裁も受けずにのうのうと暮らしているなんて、普通の感覚ではとうてい納得できたものではありませんし、はっきり言ってなにかドス黒い大きな力が働いた、としか考えられません。
なお最終的に不起訴にした検察官は村瀬正明という正義の騎士ですが、警察も国家権力の犬っぷりを存分に発揮して現場検証の手を抜き、検察も巨悪におびえ腰を抜かして失禁したまま死んだふりをし、報道も真実に背を向け目を閉じ耳を塞ぎ声を失うという、まさにこの世の闇が凝縮されたかのような事件でした。
ちなみに、被害者とは赤の他人で全くの部外者にすぎないぼくが、なぜこの交通事故にここまで熱くなっているのかというと・・・
当時の職場であった病院が現場の近くで、後で確認すると交通事故の起こったまさにその時、ぼくは病院の中にいたことが分かったからでした。
真冬の暗くて寒い夜に、前途ある若い女性が無茶苦茶な運転により死に至らしめられてしまった場面を想像すると、そのあまりの理不尽さと彼女や残された遺族の方々の無念に胸が締め付けられました。
しかもさらにこの事故では、真冬の夜の闇よりもはるかに深く暗い凶悪な力とそれに従順な警察・検察・報道が、交通事故そのものをなかったかのごとく揉み消そうとしているではありませんか!
そのことを知った時-これは我ながらちょっとした驚きだったのですが-、ぼくの心の中に炎がぱっと灯るのをはっきりと感じたのです。
正義感自分の中にまだこんな青臭いものが残っていたことに驚いたのと同時に、それに気付かせてくれたこの交通事故を絶対に風化させてはいけないと決意しました。
柄にもなく真面目に語ってしまったので恥ずかしくなってしまい、正義感の文字だけでなく実は今、紅葉よりも先に顔が真っ赤っ赤になっています。
どうやら今年のちいさい秋は、自分自身だったようです。
今後ともよろしくお願いします。

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