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クリニックブログ

戦慄の卒業アルバム

2019年03月28日

このブログの基本方針については以前に発表したことがあるのですが(「まくらぎバックヤード」)、週に1本ペースということで月4本が自分の中ではノルマになっています。
これまでの最高は2012年12月の月6本でしたが、今月はそれを更新し今回ので8本になる計算です。
その理由については・・・ここ3回は浅見光彦についてあまりにも私的な内容になっていますが(「とうとう達成!」「軽井沢へ」「独りビブリオバトル」)、事前にそうなるであろうことは想定してノルマの4回分はきっちりとこなした上で、後は勝手気ままに放言させてもらおうと考えました。
ただ、その独りよがりもおそらくは今回が最後で、もう少しだけ浅見光彦の話にお付き合い下さい。
前回は私的浅見光彦論を世に問うたつもりなのですが、全116話の中で最も好きな浅見光彦について紹介するのをすっかり忘れていました。
ぼくの中でのベスト・オブ・浅見は「沃野の伝説」で、事件発生直後で警察へ行っても、一介のルポライター風情に、おいそれと情報を流してくれはしないだろう、という状況において浅見が取った行動です(作品ではなく、あくまでも浅見光彦そのものです)。

”なるべくなら先方から声をかけてくれるような状況をつくりだしたいものだ-と浅見は思った。
一階のロビーの隅っこにベンチがあった。浅見はそこに腰を下ろして、辺りの様子を窺った。所在なげに煙草をふかしたり、腕を組んだり解いたり、溜息まじりに考え込む仕草をしたり、いろいろパフォーマンスを試みた。見ようによっては、どことなく、気の弱い窃盗犯が、自首しようかどうか迷っているような姿に映るはずだ。
京浜島の太公望ほどではないが、けっこう根気のいる作業であった。目の前を忙しげに行き交う刑事たちは引きも切らないのだが、誰一人として、声をかけるどころか、振り向きもしない。浅見は、見えている魚は釣れないという格言を思い出したり、(エサが悪いのかな?-)などと、くだらないことを考えた。ボディコン美人が足を組んでいたりすれば、ものの三秒もしないうちに、全署員がいっせいに声をかけてくるにちがいない。
待つこと久しく、一階の奥のほうにいる副署長がこっちを見た。一見したところ、近所のパン屋の主人そっくりの、ふっくらとした柔和な顔だが、さすがに目つきは鋭い。浅見は(しめた-)と思いながら、慌てた素振りで視線を逸らせた。魚が食いつく寸前、思わせぶりにエサをちょっと引いてみる、あの要領である。
案の定、副署長に耳打ちされた部下が二名、急ぎ足でやってきた。一人は玄関の方向へ少し行き過ぎたところで立ち止まった。退路を遮断したつもりなのだろう。なかなか訓練が行き届いている。”

ぼくは浅見のこういう部分が好きで好きでたまらないのですが、TVドラマなどには全く反映されていないのが残念というか不思議でなりません。
それはともかく、日本全国47都道府県を制覇している浅見光彦シリーズにおいて、わが岡山県がメインの舞台となっているのは一つだけあり、それは「歌わない笛」という作品です。
岡山県の中でも主な舞台は津山市ではあるものの、事件の流れの中で倉敷市だけでなく岡山市も登場するのですが、岡山市では国富という土地を浅見光彦が歩き回ります。
実は父方の祖父の家が国富にあり、幼稚園の年少までは国富に住んでいたので、土地鑑もあるため情景がくっきりと目に浮かぶようでした。
ところが国富という土地の紹介の中で、「朝日高校」の文字を目にした時、途端に屈託したものが自分の中で芽生えていくのが分かりました。
ぼくは朝日高校を卒業したのですが、高校時代は基本的に宿題をしない生徒だったので(「N君のこと」)、教師との関係は実に緊張感にあふれるものでした。
しかし、ぼくが大学に合格できたのは、「これで落ちたら、連中に”それ見たことか”と笑われてしまう」という危機感を強く持ち、それを受験に対する集中力に転換することに成功したから、と今でも考えています。
なので合格が分かった時には、うれしかったというよりはホッとしたのが本音で、受験に勝った!というよりは教師、もとい高校に勝った!という、なかなか得がたい充足感に満たされていました。
その後に学校に挨拶などには当然に行かなかったのですが、そうすると数日後にシビレを切らした担任から電話がかかってきました、ちなみに担任は学年主任です。
「君、最後に挨拶くらい来いよな」
「はい、ぼくもお世話になったお礼に行こうと思ったんですが、よく考えたら何にもお世話になってなかったので行くのはやめにしました、本当に残念です」
「・・・君らしいな」
電話が切れると自然に拳を握りしめてそのまま上に突き上げていて、この時ようやく学校との戦いが自分の勝利で終わったことを実感し、しばらくは勝利の余韻に浸ったものでした。
というわけで受験に成功する秘訣として、学校と敵対することを強く推したいと思いますが、合格の喜びだけでなく学校からの勝利という達成感も味わえるので、冗談抜きで結構お勧めですよ。
そんなわけで少しだけ感傷的な気分になってしまい、久しぶりに高校の卒業アルバムを開いてみたのですが・・・
思わず戦慄が走る、とんでもないものを発見してしまいました。
というか、こんな酷い教師たちから教わることなど何もあるはずがなく、自分が選んだ道は決して間違っていなかったと改めて確信した次第です。
卒業アルバムは一生残るものなのに、教師同士でこんな露骨な嫌がらせをするとは、全く驚き呆れるより他ありません。

あまりにも酷すぎて吐き気すら催してくる程ですが・・・
そういえば「歌わない笛」はシリーズ中で唯一、浅見が食べ物を吐く貴重な作品です。
今後ともよろしくお願いします。

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