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駅のほとりの心療内科

2014年03月23日

時は真夜中、静まりかえった建物の中で女性が机に向かい、顕微鏡をのぞいていた。
机の上には試験管が立ち並び、シャーレやピペットもあることから、どうやら実験室のようである。彼女は顕微鏡から目を離すと深いため息をつき、肩を落とした。またしても失敗・・・
彼女は追いつめられていた。なんとしても結果を出さねばならなかったが、無情にも失敗が続いていた。思わず彼女の瞳から、涙がこぼれ落ちる。世紀の発見と騒がれ一躍脚光を浴びたのも束の間、その発表内容にさまざまな疑惑が浮かび上がるとまさに天国から地獄の勢いでその名声を失い、今や魔女狩りを受けているかのような毎日。
なぜこんなことになったのか、そしてこれからどうなるのか?
考えるたびに不安でたまらなくなり、一段と大粒の涙が流れ出した。しばらくしてようやく泣き終えた彼女は、真下にあったシャーレをふと目にして、これまでにはなかった変化に気付いた。
これはまさか・・・
彼女は急いで顕微鏡で確認してみる。自分の科学者としての直感が正しければ、これはひょっとするかもしれない。顕微鏡のピントがなかなか合わないのは、興奮のあまり手がふるえているためだろう。ようやく視野が明瞭に見えてきた時、彼女が追いかけ続けたものがそこにあった。
そう、それはSTAP細胞であり、その誕生のためには涙が必要だったのだ。そして今、彼女の瞳には再び涙があふれていたが、今度は感動の涙だった・・・
まだこの展開の可能性が残っているので、この件に関しては当分は曖昧な態度でいく予定です。
なお、その際の会見では、黒の割烹着に髪には赤のリボンでの登場をリクエストします。決めゼリフはやっぱり、
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」
これがいいと思います。
話は変わりますが、先日、女性の患者さんと話していた時のことです。その方がお子さんの小学校の卒業式で、保護者代表で謝辞を述べることになりました。
「大変ですね」
とねぎらうと、
「いえ、全然平気ですよ」
と余裕たっぷりだったので、
「あれ?緊張とかしないんですか?」
と訊いてみたところ・・・
「一応は準備していきますけど、途中で困ったら泣きますから」
とのことでした。なるほど、たしかに卒業式ですから感極まって涙しても全く不自然ではありません。女の涙って怖いな~ブルブルと思ったりしましたが、今後はライブ終盤にアーティストが泣いて歌えなくなっても、
「ひょっとして、歌詞を忘れただけなのでは?」
と邪推してしまいそうです。
涙と言えば、中学生の頃に「スワンの涙」というドラマがありました。
主演は飛ぶ鳥を落とす勢いだった宮沢りえで、当時の中学男子は(少なくともぼくの周りでは)、この作品を見ては鼻血をはじめとして、いろんな体液という体液を出しまくっていました。
このドラマの正式な名前は「青春オーロラ・スピン スワンの涙」なのですが、当院のまくらことばである「駅のほとりの心療内科」は、実はこの「青春オーロラ・スピン」にインスパイアされてつけたものです。
ちなみに実写映画の「魔女の宅急便」には宮沢りえが出演しているそうですが、今の彼女には特に関心はありません。もはや、あの頃のぼくらを虜にした魔法はとけてしまった、ということなのでしょう。
今後ともよろしくお願いします。

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