ある日の患者さんとの会話です。
「ごはんは食べれてますか?」
「いえ、ごはん食べてないんですよ」
「それは心配ですね。体は大丈夫ですか?」
「ああ、問題ないですよ。パン食べてますから」
・・・思わずくじけてしまいそうですが、何とか気を取り直して話を続けます。
「お風呂は入れてますか?」
「いえ、入ってないんですよ」
「入るのが面倒なんですか?」
「ん~、ただシャワーは毎日浴びてます」
こういう人は家族構成を訊くと、結構な確率でペットまで教えてくれます。
さらにこちらが
「名前は小野といいます」
なんて自己紹介をすると、
「ああ、名字ですね」
ときっちり訂正してくれたりします。
そりゃまあ確かにその通りで、何も間違ってやしないんだけども、
「でもね」
という話です。
消費税が上がる前の最後の土曜日の夕方、岡山の高島屋に出かけました。
その日は午後から雨の天気予報でしたが、夕方辺りからぽつぽつと降り始めていました。
買い物をして支払いもすませた後で、
「雨が降ってるので、後日の受け取りにしたいんですけど」
とお願いしてみたところ、
「いいですよ。ただ、4月1日以降だと消費税が8%になるので、差額分をいただくことになります」
との返答でした。
店員は営業スマイル全開でしたが、返答の中身はなかなかエグいです。
ちなみにぼくは歯科を受診し、歯科衛生士さんが笑顔でもって
「倒しま~す」
とイスを下げてくれる時が、丁寧な格闘家みたいでとても好きです。
そんなM的性向のぼくを以てしても、この3%いただきます宣言は聞き捨てならず、
「ちょっと意味が分からないのだけど」
と説明を求めました。
しかしその店員は、
「国税庁からのお達しなんです」
の一点ばりで押し切ろうとします。
ぼくが国税庁の覆面調査員であったならば、
「この店は国税庁の命令に本当によく従い、うい奴よのう。ほめてつかわす」
というわけで表彰式を緊急開催したことでしょう。
賞状ではなく血統書を授与し、金メダルではなく首輪を首にかけ、副賞としてドッグフード1年分を贈呈・・・といきたいところでしたが、残念ながらしがない納税者の分際であり、次に来店できるのは4月以降になるため仕方なく雨の中を持って帰ることにしました。
その後、同様のことを岡山のビックカメラでお願いしてみると、二つ返事で快諾してくれ、高島屋ではこんな感じでしたよと店員に話すと、
「マジすか」
と少し引いていました。
いちおう高島屋の名誉のために書いておきますが、商品を渡した時点での消費税が適応になるみたいなので、間違ってはいないんでしょう。
でも、ね。
今年の秋に岡山駅南に完成するイオンに高島屋の一部が入るそうですが、国税庁の犬にはWAONがぴったりです。
今後ともよろしくお願いします。
クリニックブログ
でもね
2014年04月12日