映画『君たちはどう生きるか』を観てきました。
率直な感想としては・・・
やれやれ、なんだか某ノーベル賞候補作家みたいだったな~といったところです。
この映画では、キービジュアルで表現されているように鳥が重要な役割を果たしていますが、そういえば『ねじまき鳥クロニクル』という小説がありました。
とりあえずネタバレは避けますが、ひときわ印象に残ったのは、鳥のふんがいっぱい人にかかり、その被害にあった人達が全く意に介していないのが信じられませんでした。
おそらく何か深い意味が込められているのかもしれませんが、その手の解釈の類には正直そこまで興味はありません。
いろんな考察が可能な、意味深な象徴が満載の作品も素晴らしいと思いますが、個人的には逃げ場のない、真っ向勝負のストーリーの潔さの方が好きです。
人生においては答えがない問題ばかりであるからこそ、たまに正解に出会うと感動してしまいます。
初めてカルピスウォーターを飲んだ時も、
「あっ、これがカルピスの正解なんだ」
と実際は薄いなと物足りなく感じたものの、正解が分かったことに強く心を打たれたものでした。
その流れで、最近はバーモントカレーをレトルトで食べ、
「あっ、これがバーモントカレーの正解なんだ」
とやはり胸にこみ上げてくるものがありました。
なおその時のバーモントカレーは甘口でしたが、大人でも十分堪能できる甘さで、それもそのはず、シリーズにはもっと甘い「やさしい甘口」という、さらにその下が存在していたのでした。
そんなわけでクリエイターの方々には、いろんな解釈の中から、自分なりの正解を堂々と提示してもらい、常人にはたどり着けない発想で圧倒してほしいと希望しています。
宮﨑駿監督は、かつて多くの正解を見せつけてくれたエンタメ系の人なので、今回の作品もとても良かったのですが、もっと分かりやすい正解も併せて教えていただければ最高でした。
それでは最後に、ぼくがフィクションに望む、最も好きなあとがきの一部を紹介して終わりです。
”なんだか、こみいった文になってきた。つまりは、こうなのです。
「読んで、話がわかり、面白いと感じていただけましたか」
イエスの割合が多い気分でしたら、もうそれで私は満足です。”(星新一著『ご依頼の件』より)
今後ともよろしくお願いします。