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憧れの天河大弁財天社

2019年11月28日

以前にブログに書いたことがあるのですが(「憧れのデロリアン」)、小学生の時に修学旅行で見た奈良の大仏に深く感動しました。
ただ正直に白状すると、奈良の大仏には全く期待していませんでした。
ウルトラマンの身長が40mに対してガンダムの身長は18mでショボイな~と感じていた少年にとって、奈良の大仏の高さ(といっても座高ですが)14.98mなんて申し訳ないけど眼中にない、というのが本音だったのです。
修学旅行の当日、実際に大仏殿に入ったものの、すぐには大仏が見当たらず、
「あれ?大仏なんていないぞ」
とキョロキョロ見回した結果、しばらく経ってからようやく、想像のはるか上をさらに超越したデカさの大仏が、目の前に鎮座していることに気が付きました。
何のことはない、ちっぽけなアリが巨大な象を認識できないように、あまりの想定外のスケールに脳がすぐには対応できなかったわけです・・・
これは自分にとってはなかなか大きな出来事で、その後に大人になってから奈良の大仏は二度程訪れましたが、この大仏には敵わない!というコンプレックスを改めて再確認させられただけでした。
ところで先日、同じ奈良県にある天河神社こと、天河大弁財天社に行ってきました。
天河神社は奈良県とはいっても、大仏のある奈良市からは遠く離れた天川村にあり、日本三大弁財天の一つで、芸事の神様としてその名を知られています。
現在40代以上の人が天河神社を知ったきっかけとしては、浅見光彦シリーズで映画化もされた「天河伝説殺人事件」を挙げる人がわりと多いような気がするのですが、お恥ずかしながらぼくも思いっきりその一人です。
オリジナルの小説は1988年の発表で映画の公開も1991年なので、西暦は21世紀で元号も令和になったこのご時世、訪れたのが祝日とはいえ参拝客はそう多くはないはずと高をくくり、ほぼ貸し切り状態でその静謐な空間を満喫できることを夢見ていました。
ところが岡山から遠路はるばる到着すると、びっくりする程に駐車場に車は多く、神社内も人であふれていて、失礼に当たるかもしれませんが少し意外な感じでした。
なお、天河神社に行ったことを、後日神社仏閣好きの患者さんにしたところ、
「天河神社?知っていますよ、えーっと、こないだアメトーーク!でやってました」
と教えてもらい、
「そういうことか!」
と全ての謎が一気に氷解しました。
天河神社を訪れる理由は昔は浅見光彦だったのが、今やアメトーーク!とは・・・気になったのでネットを使い番組内ではどんな紹介だったのかを調べてみると、どうも芸人が天河神社で競馬のお願いをしたら当たったというトーク内容だったようです。
たしかに思い返してみると、開店前からパチンコ屋に並んでいるようなギャンブラー顔が多かったような気がします(大いなる偏見)。
それはともかく東大寺のシンボルが奈良の大仏とすれば、天河神社のシンボルは五十鈴(いすず)という古来より伝わる神器で決まりです。

上に金の鈴が3つ、下に銀の鈴が3つ重なっており、3つの鈴はそれぞれ「いくむすび」「たるむすび」「たまめむすび」という魂の進化に重要な3つの状態(みむすび=三魂)を表しているんだとか。
鳴らすと心が清められるような美しい音がするそうですが、はっきり言って鳴らすのはなかなか至難の業です。
鈴につながる鈴緒を普通に前後に動かしてもあまり鳴らなかったので、たまたま通りかかった神職の人にたずねたところ、
「少しだけ持ち上げて、回すように動かすと鳴りやすいですよ」
とコツを教えてくれた上で実演までしてくれたのですが、大して力を入れている風でもないのに、見事に澄んだ音色を響かせていたのはさすがでした。
そこでもう1回チャレンジしてみたのですが、かなり力を入れて思いっきり回しているのにもかかわらず、鈴はうんともすんとも鳴らず、さすがは日本一の芸事の神様、チャップリンばりのパントマイムの能力が降臨してきたに違いないと大いに納得した次第です。
そして最後に御朱印をもらってから憧れの天河神社を後にし、奈良市内に宿泊して翌日は奈良市内の神社仏閣を観光して回りました。
もちろん東大寺にも行き、奈良の大仏にも再会したのですが、やはりその時も奈良の大仏に対するコンプレックスは払拭できておらず残念でした。
しかし気を取り直して大仏の周囲をぐるりと回ると、最後には御朱印をもらえる場所がありました。
列に並んで少し経ってから順番が来たので、今回書いてもらうページを開けて御朱印帳を渡したところ、風でも吹いたのかページが一枚めくれてしまい、すぐ前の御朱印がその姿を現したのですが・・・
それを目にした途端、御朱印帳を書く人が表情を変え、
「天河・・・!?」
と思わず唸り、少し焦り始めたかのように見えた時、奈良の大仏=東大寺に対する長年のコンプレックスを、ようやく解消することができたので本当に天河様様です。
心なしか、どこかで五十鈴の鳴る音が聞こえたような気がしました。
今後ともよろしくお願いします。

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