岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

車窓

2022年04月30日

ある日、自転車に乗って踏切まで行ったところ、運悪く引っ掛かってしまい、遮断機のバーが下がってきました。
乗っていたのはロードバイクだったため、停止するにはいったん降りなければならず、
「ちぇっ」
なんて思わずつぶやきながら、列車が通りすぎるのをしぶしぶ待っていたのですが・・・
しばらく経って登場したのは、艶やかなダークグリーンが眩しい、なんと豪華寝台列車・瑞風でした。
これはラッキー!とばかりに思わずニンマリし、まさに風のように列車が走るのを逆に得した気分で眺めていました。
すると、中の乗客がグラス片手に窓の外に向けて手を振っているのがふと見えてしまい、途端になんだか見下されている感じがして、最終的には初心を貫きやさぐれつつ見送った次第です。
そういえばミステリー界の鉄道王こと、作家の西村京太郎先生が先日逝去されましたが、幸か不幸か瑞風では事件は起こらなかったものの、絶筆となった最後の作品の舞台であるSLやまぐち号には乗ったことがあります。
ちなみにSLやまぐち号をご存じない方のために簡単に説明しておくと、島根県の津和野と山口県の新山口の間を、期間限定で土日祝などに1日1往復のみ運行されているSL=蒸気機関車で、自分は津和野からの便に乗りました。
なおその際には、よっぽど風景を五感で満喫したいのか、窓を開けている人がわりと近くにいたのですが、SLなのでトンネル内では煙が入ってくるため、周囲の客から注意されていたのは当然すぎる帰結でした。
ところが彼は反論し、
「トンネルに入ったら窓を閉めるから」
と頑として譲らず、窓を開け続けていました。
たしかにその後は約束どおり、トンネルのたびに窓を閉めて、トンネルを抜けると窓を開ける、という動作を繰り返していたのですが、なかなかの頻度でトンネルが連続するゾーンがあり、そこでの彼はもはや窓の開閉作業が中心になっていたのでした。
それは見ていて哀れになる程の重労働で、この無駄なエネルギーをどうにかしてSLの動力源に活用できないものか、と考えてしまいました。
今後ともよろしくお願いします。

一覧へもどる

MENU

クリニック概要

まくらぎクリニック外観

まくらぎクリニック

〒710-0055
岡山県倉敷市阿知1-8-10
武部不動産ビル2F
TEL:086-441-5020
FAX:086-441-5021
※予約制

臨時休診日などはこちら

月別アーカイブ