岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

女もつらいよ

2020年01月30日

1年で最も体重が増える時期といったら、それはもう年末年始ということで異論のある人は少ないのではないでしょうか?
数年前になかなか健診を受ける時間の余裕がなく困っていた際、新年初日の1月4日なら空きがあるとのことで予約したのですが・・・
当日にあまりのガラガラっぷりを目の当たりにして、そういうことか!と気付いた時には後の祭り、もうすでに手遅れでした。
そんな悪めの結果が出る可能性が高い時に、わざわざ健診を受けるにくる物好きなんていなかったというわけです。
なお偏見かもしれませんが、一般的には男性よりも女性の方が体重を気にする人の割合は多いように思います。
なので、以前に患者さんと話していて、
「体重が減ると困るんです!」
と必死に懇願された時、正直とても意外に感じました。
その方は60代の女性の患者さんで、年齢よりもずい分とお若く見える印象でした。
通常は薬の副作用で体重が増えたと抗議されることの方が多いため、減る分には別に問題ないのでは?というかむしろラッキーなのでは?と疑問を抱いてしまい、
「なぜ体重が減ると困るのですか?」
とその理由を追究してみることにしました。
するとその方はしばしの間沈黙し、目を小刻みに動かしてかなり迷っているようでしたが、最終的には意を決したらしく、
「・・・体重が落ちると、皺が目立ってしまうんです」
と事情を教えてくれた時には、なるほど!と大いに納得すると同時に、女性は大変だな~と同情を禁じ得ませんでした。
それから別の患者さんの話ですが、その方は30代の女性で、少なくとも皺の心配とは無縁の、なかなか存在感のあるシルエットの持ち主です。
そんな彼女から、ある時ついに
「体重が増えて困るので、やせ薬を出して下さい」
とおねだりをされてしまいました。
一般的にやせ薬と称される薬で医師が処方できるものといえば、商品名「サノレックス」(一般名「マジンドール」)が有名です。
ただ、これはかなり危険な薬なので、良識のある医師ならば普通は出さない類の薬になります。
彼女はネットでいろいろと調べた結果、その禁断の薬に辿りついたらしく、こちらがいかに取り扱いに注意が必要な薬であるかを説明しても、
「出してもらわないと困るんですよ」
と必死で食い下がってきて、そう簡単には諦めてくれそうにありませんでした。
そこで、この薬はBMI*=35以上の高度肥満症の方には、保険適応があり処方が認められているため、ならば一応は武士の情け、BMIだけでも計算しておこうかと考え、
「ではBMIを計算するんで、身長と体重を教えてもらえますか?」
と訊いてみました。
すると、それまでは鼻息も荒く、圧の塊のようだった彼女が急速に勢いを失い、
「え!?身長と体重、ですか」
「はい、BMIという数値が35以上の人に出せる薬なんで、計算するのに身長と体重が必要なんですよ」
「そうですか、、、身長は○○センチです」
「分かりました、では体重は?」
「・・・」
なんと先程までの迫力が嘘のように、突如しおらしくなってしまったではありませんか!
しかしこのままでは埒が明かないため
「体重を教えてもらわないと、先に進めないんですが」
と容赦なくたたみかけたところ、
「そうですか、、、体重は、、、」
「はい、体重は?」
「・・・99.9キロ」
不謹慎かもしれませんが、ちょっとした腹筋の運動になるくらい、こっそりと笑わせてもらいました。
この調子で、年末年始で増えた体重を減らしていきたいと願う、今日この頃です。
今後ともよろしくお願いします。

*BMI (Body Mass Index)とは、 人の肥満度を表す体格指数のことで、計算式としては体重 (kg)を身長 (m)×身長 (m)で割った値となり、普通体重では20前後とされています

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