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3D男

2019年08月15日

お盆ということで、少ししんみりした内容になるかもしれません。
本日は台風のため甲子園も中止になっていますが、岩手県大会の決勝で大船渡高校の注目度No.1投手を、監督が出場させなかったことが以前に話題になっていました。
案の定『喝!』を入れたハリーこと張本勲氏に対し、
大リーグのダルビッシュ選手がTwitterにて
”シェンロンが一つ願いごとを叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいって言う。”
と物申したのだとか。
この件に関しては、ダルビッシュ選手には大変にお気の毒なのですが・・・
元号も令和になったこのご時世、ドラゴンボールネタがいつまでも若い世代に通用すると思ったら、残念ながら大きな間違いです。
そのツイートには共感が多かったそうですが、年齢層の内訳はわりと高めで肝心のその投手には届いておらず、シェンロンって何?と速攻でスマホで調べたのではないかと思います。
ちなみに少し前に20代の人に
「仙豆です」
と目下ハマっているブラジルナッツを差し出したら、哀しくなる程に真に受けられてしまい、時代は確実に動いていることを実感しました。
一般的には「ドラゴンボール」よりも認知度では劣る「キン肉マン」ネタを、つい最近もブログに書いたばかりだったので大いに反省しないといけません。
時代と自分の感覚のずれをきちんと認識し、しっかり修正しておかねば、それこそハリー氏のような老害になってしまいます。
おっと、話を本題に戻して一応説明しておくと、シェンロンとはマンガ「ドラゴンボール」の中でドラゴンボールという球を七個集めると現れ、一つだけ願いごとを叶えてくる龍のことです。
それから仙豆とはやはり同作品に登場する、カリン様という仙猫(人間でいうところの仙人ですね)が栽培している特殊な豆で、食べると死んでさえいなければどんな病気やケガでも治るとされています。
そういえば彼と初めて会った時の印象は、
「なんだかカリン様みたいな顔のやつだなあ」
だったことをぼんやりと思い出してしまいました。
彼が市中病院で一般的なローテーションを終え、大学病院で専門の研修をしている時、ぼくは指導医という立場でした。
改めて振り返ってみると、これまでに正式な指導医として唯一関わったのが彼だったのです。
医師としてはこちらが4年先輩だったので、年の差は最大で4歳ということになりますが、彼の正確な年齢は知らずに、約1年間一緒に働いていました。
当時はそれなりに仲良くやっていたつもりなのですが、離れてしまってからはついに一回も再会する機会は訪れないままでした。
彼はなかなかソツのない男で、仕事はいつもサクッと終わらせていました。
職場は大学病院で、定時は存在していたのかもしれませんが、現実的にはあってないような状況だったと記憶しています。
彼が研修を始めて数か月が経ち、仕事にも慣れ出してくると、
「先生、今日5時に帰ってもいいですか?」
とお願いされるようになりました。
別に仕事が終わっているのなら問題はないため、二つ返事でOKを出し続けていたところ、
「先生、今日5時ダッシュしていいですか?」
に表現が変化し始め、
「先生、今日5Dいいですか?」
とダッシュがDに略されるまでには、あまり時間はかかりませんでした。
ただ、恐ろしいことにこれすら最終進化系ではなく、
「先生、今日4Dいいですか?」
が台頭してきたかと思いきや、ついに
「先生、今日3Dいいですか?」
発言がまさに3Dのごとく飛び出してきた時には、驚きつつも許可を出したことを覚えています。
ただ、正直ぼくと彼の昼休みはスペインのシエスタ並みに優雅なものだったので、3Dって四捨五入したらもはや半ドンだろ!とこっそりツッコみながら、周囲には内緒で3時に職場を去る彼を見送ったものでした。
そんなわけで彼はとにかく早く消える男だったのですが、3Dのさらにその果て、令和になるのを待つことなく40代で今年逝ってしまいました。
あまりにも早すぎる訃報でした、、、合掌。
今後ともよろしくお願いします。

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