岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

お盆の夜

2013年08月16日

「お盆はどうするの?」
と質問される時、ぼくはひそかに困惑しています。
個人的にはお盆もイースターもほぼ等価的な存在で、
「もうすぐイースター、楽しみだね」
と言われているようなものだからです。
そんなわけで、”盆と正月が一緒に来たよう”という表現についてもかねてから違和感を抱いていました。批判を覚悟でスタジオジブリでたとえると、お盆が高畑勲氏で正月が宮崎駿氏の印象です。正月に比べてお盆に楽しい記憶はあまりないどころか、お盆が過ぎると夏休みの終わりがちらつき始めるので、お盆=ガッカリの法則が学生時代にしみついてしまいました。
ただ何年か前からは、お盆の時期にはある習慣を続けています。
お盆の夜、シャワーを浴びてさっぱりした気分になり、涼しい部屋でよく冷えたわらびもちをつまみながら、「となりのトトロ」をゆったりと見るのです。
かれこれ10年はこの時期になると「となりのトトロ」を見ていますが、気分は画家が連作として同じテーマを積み重ねていくようなイメージで楽しんでいます。
たとえばモネが睡蓮を描き続けたように、トトロという定点を見ることによって自分の変化に気付くことができるような気もしています。
いつの頃だったか忘れてしまいましたが、のんびりとした気分でトトロを見ていて、あまりにも怖くなってぶるぶると震え始め、思わず冷房を止めたことがありました。
怖い・・・
尽きることのないイマジネーションの解放に圧倒され、こんな作品を創ってしまう宮崎駿監督の才能が怖いと心の底から思ってしまいました。
なので、ぼくがどんなホラーよりも最も怖いと思う作品は「となりのトトロ」です。
しかしそんな大好きなトトロにも、それは違うんじゃないの?と思うところがあります。
それはトトロの名シーンの1つ、夜中にサツキとメイがトトロにつかまって空を飛ぶ場面です。
爽快感あふれる素晴らしいシーンだと思いますが、問題は
「わたしたち、風になってる」
というサツキのセリフです。
実はぼくは風になったことがあり、”風”経験者からコメントさせてもらうとこのサツキの発言は残念ながら感想ミスです。
子どもの頃、実家の近くの山が切り開かれて道路ができ、山越えができるようになりました。
そんなに高い山ではないのですが傾斜はなかなかのもので、自転車に乗ったまま登るのはまず不可能なため、上まで行くには自転車から降りて押すしかありませんでした。
しかし上までたどり着き、そこから自転車で一気に下る時の気持ちよさは最高でした。
もう時効ですが、手放し運転でブレーキも気にせず、ぐんぐん加速しながら下りている時は、まさに風になっている瞬間でした。
両手を広げ全身で風を受け止め、そして自分自身が風そのものになる・・・
その経験からすると、トトロにしがみついて首を回して前を見ている状態では、どんなに空を飛んでいたとしても風にはなりえません。
飛行機に乗っている人に、「オレ、今、空を飛んでいるよ」と言われても釈然としない感じに近いです。
ちなみに、なぜわらびもち?という疑問もあるかもしれませんが、トトロにはやっぱりポップコーンよりわらびもちが似合うと思います。
この映画の終盤でのサツキのセリフ、
『バカメイ』
が、ぼくはすべての映画のセリフの中で最も好きです。
てなことを書いていたところ、メールの着信が。
最近、迷惑メールが多くて困っているのですがとりあえず開いてみると、
「メイです、抱いて下さい」
バカメイ・・・
信じてもらえないかもしれませんが、本当の話です。
今後ともよろしくお願いします。

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