岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

ちぐはぐコミュニケーション

2017年02月09日

先日なにげなくテレビを見ていたら、春節で日本を訪れていた中国の人がフグ料理を食べた感想を求められ、
「とても美味しい、カエルみたい」
とコメントしているところでした。
しかし改めて考えてみると的確に褒めるということは意外に難しく、たとえば女の子に
「君カワイイね、AKBに入れるよ」
なんて褒めてるオッサンを見たことがありますが、それは果たして褒め言葉になるんだろうか?とぼくは内心ヒヤヒヤしていました。
悪意など全くなく、心から純粋に褒めたり感謝している場合でも、結果的には相手にそう伝わらないことがこの世には多々あるので厄介です。
当院のように予約制で診療を行っていても、初めての方で当日の予約を希望される問い合わせが予想以上に多く、開院当初はちょっとした驚きでした。
おかげさまで最近ではお断りすることも少なくないのですが、たまたま予約に初診の方の診療ができるだけの空きがあれば、可能なかぎりお受けすることにしています。
そんな時にはこういった感じのお礼の言葉をいただくことがあるのですが・・・
「今日は急にお願いしたのに、本当にありがとうございました。倉敷だけじゃなく岡山県内の心療内科を片っ端から手当り次第で電話したのに、どこも1ヶ月待ちとかで断られて本当に困り果てていたんです。今日しか休みがないのに、もう診てもらえないかもと諦めかけていたんですが、最後の最後に先生のところにダメ元で連絡してみたら予約が取れました。本当に感謝しています、この辺りはどこも予約でいっぱいで受診できそうな気配もなかったのに、先生のところだけは奇跡的に受けてくれたんです。本当に助かりました・・・」
お願いだから、もうその辺で勘弁して下さい。
もちろん100%嘘偽りのない感謝の言葉というのは頭では理解しているつもりなのですが、残念ながらハートの方は容赦なくグサグサえぐられ結構ズタボロになっています。
この人の発言の凶器ポイントは2つで、1つは最後に電話をかけたのが当院だったということは最も魅力を感じなかったのが当院であるという事実に他なりませんし、いま1つはこの辺りで他の同業者は予約でいっぱいなのに当院だけは空きがあったというハンパない場末感と敗北感です。
ただそれでも目の前の診療については、気を取り直して涙をこらえながら全力で取り組みますが、でもこんなことが続けば人間だもの、そりゃ多少は根性だってやさぐれていきます。
あれは今から10年以上前、当時ぼくは総合病院で働いていて、神経内科の入院と救急と精神科の入院と外来を担当し、自分で言うのもおこがましいのですが、なかなかハードな日々を送っていました。
そんな時にある看護師さんが
「先生はひっぱりだこね」
と温かくねぎらってくれたのですが、その頃若気の至りでとんがっていたぼくは、何を血迷ったか照れ隠しをしてしまい、
「え!?・・・って誰がタコだっ!」
と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・J・フォックスがチキンと言われてキレるようにぶっきらぼうに返すことしかできませんでした。
本音では実はとてもうれしかったものの、結局その優しかった看護師さんにはそれを素直に伝えることができないままだったので、今はもしデロリアンがあるのなら彼女に謝り、そして改めてお礼を伝えに行きたい気持ちでいっぱいです。
今後ともよろしくお願いします。

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