岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

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さよなら仮面ライダーアマゾン

2015年11月30日

たとえばいくつかの大切な人やものとの出会いがはっきりとした記憶を持たないように、彼と初めて出会った時のことは正直あまりよく覚えていません。
このたび出会って10年になる友人が新天地に旅立つことになり、彼は転勤族だったのでいつかこんな日が来ることは分かっていましたが、どんなに分かっていたとしても嬉しいものはやはり嬉しいし、哀しいものはどうしようもなく哀しいものです・・・そんなわけで、今ぼくは哀しい気持ちでいっぱいになっています。
彼は製薬会社で営業の仕事をしていて、前述のとおり記憶は曖昧なのですが、とにかく2005年のある日にぼくらは出会いました。当時はまさかこんなに長い付き合いになるなんて考えるはずもなく、どんな風にしてぼくらが仲良くなっていったのかはよく思い出せません。
ただ振り返ってみると、遅れて途中から見始めた映画のように最初から彼とぼくはすっかり意気投合していました。
彼と初めて出会った時はぼくは大学病院の非常勤で、その後は別の大学病院で常勤、つまり公務員になったり、おじさんの診療所を一時的に引き継ぐことになって理事長をやったり、それからは開業の準備のため定職を持たないフリーターの時代があったり、自分でも呆れる程に目まぐるしくその立場は変わっていったのですが、その間で彼のぼくに対する態度はまったく変わることはありませんでした。
ちなみにかなり早い段階で彼はぼくの営業担当ではなくなったので、この10年の付き合いのほとんどはビジネスではなくプライベートなものになります。
フリーター時代のぼくはといえば、岡山に天満屋という百貨店があるのですが、そこのクレジットカードの審査に見事に落ちてしまったことがあり、これはぼくの仲間内ではちょっとした武勇伝になったものでした。フリーターでも一応は医師だし、仕事もアルバイトをやっていたので収入もそこそこはあったし、まさか落ちるわけがないと高をくくっていましたが、自分は今そういう立場なんだと愕然としたものでした。しかし、そんな時でも彼は何も変わることなく、ぼくに接してくれていました。
そしてそれは今こうして院長という立場になっても同じで・・・開院して1週間ぐらいの時に暇を持て余していると、天満屋の外商が「クレジットカード持ちませんか?」と勧誘にやってきたのとはあまりにも違いすぎました。
彼との思い出は本当にたくさんありすぎて、どれが一番かなんて決められるものではないのですが、あえて選ぶとすれば2012年9月29日土曜日のことになると思います。
当院はその年の10月1日月曜日の開院予定だったものの、実は直前になっても準備はあまり順調には進んでいませんでした。最後の土日でかなりのことを終わらせないといけない状況だったのですが、当時のぼくは「こりゃ間に合わないかも?」とすっかり弱気になってしまっていて、おまけに台風17号まで接近していたので台風のせいにして開院を延期しようか?とすら考えるまで追い込まれていました。
そんな時に彼に協力をお願いすると快く準備を手伝ってくれ、いつもとまったく変わらない彼の温かさはぼくに落ち着きを取り戻させ、そして勇気を与えてくれました。
開院にあわせてくれたのか?前倒しでやってきた台風の嵐の中を真夜中まで、一緒に雨と風の音を聞きながら徹夜で準備したことは決して忘れられない思い出です。
もっとも、彼のおかげで準備はおおかた終わり、これなら残りは翌日の日曜日に彼がいなくても大丈夫と安心していたら、油断しすぎて日曜日は結局大したことはできず、開院してからも残った準備を続ける羽目になってしまったのはご愛嬌ということで・・・
なおタイトルは、ぼくが時々彼のことをそう呼んでいたことに由来しています。
”それではアマゾン、いつまでも変わらないでいて下さいね”
今後ともよろしくお願いします。

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