岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

1年の背中

2012年12月31日

先日のことですが、洗面所で髪の手入れをしていると
「飛ばねぇくしは、ただのくしだ」
と言わんばかりにくしが飛んでいき、洗濯機の後ろに落ちてしまいました。
そのくしは無料でもらった正真正銘のただのくしで別に惜しくもなかったのですが、放置するには忍びないものがありました。
更にくしともなればまさに後ろ髪引かれる思いであり、くし救出大作戦の始まりとなりました。
ちなみに洗濯機はドラム式のタイプでかなり大きく、横にある隙間に身体をねじ込み背後へ回ることは不可能でした。
さてどうしよう?と考えていると、ドラム式の洗濯機は前面に透明のドアがついていて
「全部見せますよ、何にもやましいところはございません」
というオープンな点に好感を持っていたのですが、実は裏側というか背中は見せようとせず、
「何かアヤシイ」
と不信感を抱くようになりました。
思えば月の裏側の謎は、生まれる前にすでに解かれていました。
またゴルゴ13ことデューク東郷の背後に回りたかったものの、ボコボコにされる可能性が高くあきらめていたという経緯もあり、それらのリベンジをする格好のチャンスであることに気付きました。
モチベーションも上がったところで何か長いものでくしを引っかけて出すことにし、はじめに頭に浮かんだのは靴べらでした。
開院してから患者さんに指摘されたのですが、開院当初は靴べらがありませんでした。
自分が全く使わないものですから、その存在を完全に忘れていたのでした。
というかもうそこそこの年になるのですが、今でも靴べらの正式な使い方がよく分かりません。
むしろ靴べらを使ったためにかえって靴がうまく履けなかったばかりか、あやうく靴べらを折りそうになり白い目で見られるという痛恨の体験もしていて、できれば顔も見たくない相手でした。
というわけで、靴べらはわが家には出入り禁止となっているため、却下。
次の手としてひらめいたのは、孫の手でした。
ずっと疑問なのですが、孫の手って老人の手にしか見えないのは気のせいでしょうか?
どんだけサバ読む気なんだろう?と思いつつ孫の手を取ってきて、洗濯機に覆いかぶさり腕を思いっきり伸ばしてみました。
ところがこれでは全く下までは届かず、洗濯機の背中をかいてあげているシュールな光景になってしまいました。
しかし、かといって
「背中をかいてくれたお礼に、くしを返してあげるよ」
と洗濯機が口にするはずもなく、次の作戦を練ることにしました。
考えながら洗濯機の修理中にノーベル賞の知らせが入ったという山中教授のことを思い出し、何か吉報が来ないかな?とうっすら期待していると、いつしか空想の世界に入りかけていました。
「いや~実は洗濯機のですね・・・」
と受賞コメントを話しながら照れて孫の手で頭をかいているところで我に返り、他に思いつかなかったので仕方なく最終兵器、ゴルフクラブで試みることにしました。
バンカーからまともに出せた記憶もないのですが、この時は奇跡的にくしに当たり水平に移動させると、洗濯機の横の隙間からくしが見えるようになりました。
そのままクラブで引っかけてたぐり寄せると、いよいよ感動の再会です。
苦労して救出したくしを手にしてぎゅっと抱きしめようとすると、・・・ベールに包まれた洗濯機の裏側の世界を想像させるには十分な汚れっぷりでした。
くしは再び飛んでいき、今度はごみ箱の中へ落ちてしまいました。
そういえば鳥取県の米子にいた頃はたまにカニを買いに市場に行っていましたが、店の人が水槽の中のカニを取り出すのにゴルフクラブを使っていたのを思い出しました。
ついでにカニも横歩きだから、背中を見せませんね。
本日はのんびりと、透明なドアから洗濯機の仕事ぶりを眺めてすごしました。
大晦日は1年の背中ではないだろうかと思いながら。
懲りずにまた吉報を期待しながら。
なお、今では当院は靴べら完備です。
それでは、














 

 

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