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おとうさん

2018年01月31日

昨年の12月なかばの夜にニュースを見ていると、その日が年賀状の受付開始日だったらしく、さっそく郵便局に出しに来た人たちを映す恒例の映像が流れていたのですが・・・
どこかの幼稚園からも園児たちが訪れていて、頑張って書いた年賀状をポストに入れていました。
するとその中の一人の男の子にマイクが向けられ、誰に宛てた年賀状なのかを訊いたところ、
「おとうさん!」
と文字どおりそのまんま宛先に「おとうさん」と書かれた年賀状をカメラに見せながら元気いっぱいに答えていたので、思わず前のめりになって画面に見入ってしまう程の衝撃を受けたことを今も覚えています。
こんなのをテレビで普通に流していいものなのか・・・
わざわざ「おとうさん」に年賀状を出すということは、ごく常識的に考えておとうさんとは今は一緒に暮らしておらず、そして来たるべきお正月にもおとうさんは家にはいない状況ということになります。
もちろん単身赴任であれば別に問題はないのですが、のっぴきならない事情で別居中ということもあるし、たとえば結核などの病気で入院中のため年末年始に外泊もできないのかもしれないし、最悪の場合としては受刑中という可能性もないわけではありません。
そんなわけで考えすぎなのかもしれませんが、少し重たい気分になってしまいました。
ちなみに「おとうさん」でこんなに重い気分になったのは、小学生の頃にシューベルト作曲の「魔王」を聴いた時以来のことでした。
ゲーテの詩によるこの楽曲の
「おとうさん、おとうさん♪」
の部分のインパクトはとても大きく今でも強烈な印象が残っているのですが、その中でのおとうさんは死が迫り魔王が見えると言って取り乱し始めた息子を、そんなのは気のせいなんだよ・・・と懸命にたしなめていました。
久々におとうさんの必死の説得を思い出し、今回の「おとうさん」の件も気のせいのような気がしてきましたが、「魔王」で息子に魔王が見えていたのと同じように、ぼくの外来にはいろんな幻覚が見えるという患者さんが受診されます。
ある女性の患者さんは目の前に突然マンガに出てくるような典型的な死神が出現したので驚き、頭の中は恐怖でいっぱいになってしまったそうです。
そして死神はじーっとこっちを見て、重苦しい静寂がその場を支配し、彼女の緊張もピークに達しかけたその時、
「お前なんか、殺す価値もないわ」
と言い残して、死神は消えてしまいました。
後に残された彼女はポカーンと立ちつくし、ひとまず命が助かったことにほっと胸をなで下ろしたものの、なんとなく釈然としない複雑な気持ちになってしまったとのことです。
今後ともよろしくお願いします。

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