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クリニックブログ

物理法則を超えて

2016年06月30日

前回学会(学術集会の方)のことを書いたのが刺激になったのか、その後に身体中の関節がなんだか痛くなってきて、久しぶりによみがえってきた記憶があります。
残念ながら忌まわしい内容なので、できれば思い出したくありませんでした。
学会期間中の夜に仲間内で集まることはよくあるのですが、まさかあんな悲劇が待ち受けているなんて考えるはずもなく・・・
今を去ること約10年前、それは東京の飯田橋であった学会で、幹事を担当したのはKさんという若い女医さんでした。
彼女は当時ぼくのいた職場にその年入ってきた新人で、前の年まで東京で研修をしていたというのも幹事に選ばれた理由だったのかもしれません。
そして宴当日。
学会の会場は飯田橋のホテルだったので、こういう場合参加者の多くはそのホテル、もしくは近くのホテルに宿泊しています。
なので当然、店も会場から徒歩圏内かと思っていたのですが、ひとまず会場のホテルに集合し、わざわざ電車で移動する予定になっていたので驚きました。
今にして思えばこの時点で違和感を抱き、不参加を表明すべきだったと悔まれてなりません。
ホテルに集まった一行は駅まで歩き、通勤時間帯の混み合った電車に揺られ、駅で降りるとさらにまた少し歩き、それでようやく目的の店にたどり着きました。
ところが店に入ると、予約にもかかわらずしばらく待たされることになり、しかも店内で待つには人数が多すぎるということで追い出され、店の前で時間をつぶすことになってしまいました。
今にして思えばこの時点で危険を察知し、外に出たついでに人ごみにまぎれて逃げるべきだったと悔まれてなりません。
待たされること約20分、やっと通されたのは丸いテーブルを囲んで座るタイプの席でしたが、ほとんどの人は戸惑っているようでした。
どう考えても、人数に対してテーブルが小さいのは明らかだったからです。
本当にここなの?といった感じで周囲をうかがいつつ、とりあえず座ってみると予想どおり横の人とのスペースはほとんどなく、まさにギッチギチのガッチガチ状態でした。
さらにここで哀しいお知らせが入り、なんとこの時点でまだ2人来ていないというのです。
今にして思えばこの時点で後のさらなる悲劇を予見し、その2人を迎えに行くとでも言ってその場から去るべきだったと悔まれてなりません。
それからしばらくは全員がそろうのを待っていましたが、なかなか来そうな気配もなかったので結局そのまま宴は始まりとなりました。
しかし腕をぴったりと身体の横に付けておかねらならず、絶望的に食べにくい過酷な状況だったので、これで後2人入ったらどうなるんだろう?と心配し始めると気が気ではなく、料理を味わっている余裕などはとてもありませんでした。
ちなみにまだ到着していない2人というのは、好対照な同期同士の男の先輩でした。
1人はスリムな身体にスマートな知性を併せ持つW先生で、もう1人はゴーレムのような巨体にスポーツ推薦で医学部に入ったと噂される知性を併せ持つM先生でした。
W先生だけなら無理すればなんとか入れそうでしたが、M先生の入るスペースはとてもないよな~と考えていると、
「W先生が来られなくなったそうでーす」
というニュースが幹事のKさんから告げられました。
ぼくは思わずガッツポーズをしたい衝動にかられましたが、すぐにそれが不可能な狭さであることに気付き、喜びを身体で表現することは断念せざるを得ませんでした。
気を取り直して周囲を見渡してみると、口にこそ出してはいなかったものの、ほとんどの人の顔には明らかに安堵の表情が浮かんでいました。
しめしめ、これで後はM先生も来なければ・・・と淡い期待を抱いていると、
「お待たせ~」
と能天気に登場したのはゴーレム、のように大柄なM先生で、淡い期待は完全に粉砕され、テーブルには緊張が走りました。
席はもうすでに定員オーバーでしたが、彼は物理法則を無視してその巨体をねじ込んできたので、限界寸前だったギリギリのバランスは見事に破綻し、となり合う身体と身体がぶつかり合い、関節という関節が断末魔の叫びをあげ、
「ママー、狭いよー」
とあまりの窮屈さに泣き叫びそうでした・・・

さて悪夢のような時間もついに終わり、手足を好きなだけ自由に広げられるようになると、足取りも軽やかに店の外に出て開放感に包まれていました。
全員が店の前にそろったところで幹事のKさんから、
「よかったらこの後、二次会行きませんか?」
という提案がありました。
彼女の幹事としての本日の段取りを改めて振り返ってみると、わざわざ電車で移動して店の前で結構な時間待たされ、その挙句に関節が痛む程のギッチギチのガッチガチ地獄というヒドイ内容であり、ほとんどの人は参加をためらっているようでした。
すると彼女から次の店についての説明があり、
「私がよく行ってた店で、とってもくつろげますよ。ただ・・・」
「ただ・・・?」
「ただその店、ちょっとだけ狭いんですよね」
と彼女がニッコリ笑うと、皆の顔が引きつり、一目散に逃げ出したのは言うまでもありません。
今後ともよろしくお願いします。

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