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恐怖のモスキート

2016年08月15日

いや~心配しました!
現在オリンピックが開催されているリオでは、治安の悪さやジカ熱の感染が懸念されていましたが、ついに犠牲者第一号が現れてしまったのかと思いました。

ジカ熱

ギャングの抗争の流れ弾が当たったのか、もしくは感染症による痙攣発作か、などあらゆる可能性を考えましたが、単なる喜びのポーズだったとは・・・
まったく、人騒がせですね~
ところでジカ熱の原因であるジカウィルスを媒介するのは蚊なのですが、蚊は本当にとても恐い生物なのです。
かのビル・ゲイツも「世界で最も恐ろしい」とビビッているぐらいで、マラリア、デング熱、ジカ熱、そして日本脳炎などの原因となる病原体を媒介し、人類の天敵ともされています。
実は2002年の8月から9月にかけて中国地方で日本脳炎の患者さんが6人も発症したのですが、その中の岡山県内で発症した方を主治医として担当させていただく貴重な機会を得ました。
ぼくもその時までは日本脳炎なんて過去の病気と軽視していましたが、いろいろと勉強する中で今でも毎年10人前後は全国で発症していることや、中国やインドではまだまだ現役で猛威をふるっている恐い感染症であることなどを改めて知ったものでした。
そして、蚊って恐いんだなと切実に思いました。
なおその時の中国地方での日本脳炎のアウトブレイク(限られた範囲での感染症の集団発生のこと)は後に英語の論文として発表されたのですが、その論文を書いたのは久留米大学のグループだったので中国地方全然関係ないじゃん・・・と驚いたのと同時に、一方でそのパワフルな貪欲さには感心せざるを得ませんでした。
しかし実際に経験した中国地方の人間がそれを形に残せていないのはカッチョ悪いことかなと考え、その数年後に自分の担当した日本脳炎の患者さんの症例報告を英語の論文にしたのですが、たぶん久留米大学の人たちの仕事がなければモチベーションに火はつかなかったと思うので、今となってはとても感謝しています。
ちなみに日本脳炎は別名ではB型脳炎と呼ばれ、一方A型脳炎はというと嗜眠性脳炎(しみんせいのうえん)という脳炎ですが(こちらは蚊とは関係ないとされています)、奇遇にもこちらの症例報告も英語の論文として発表しており、興味のある方は別刷りという冊子を謹呈しますのでいつでも遠慮なくお申し出下さい。
こんな風に過去の業績のことなどを自慢ぽく書くとは・・・、デング熱ならぬテング熱にでも感染してしまったのかもしれません、ボリボリ。
というわけで、蚊=モスキートにはくれぐれもご注意を。
今後ともよろしくお願いします。

 

 

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