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ぼくのおじさん

2016年11月16日

ついに見つかってしまいました・・・

ぼくが人生で出会った中で最も面白かった人を選ぶとすれば、迷うことなく小学5年生の時に友人になった大森君で決まりで、彼については以前にも「大森君」というタイトルでこのブログにも書いたことがあります。
そんな彼から当時
「これすごく面白かったんだけど、読む?」
と本を貸してもらったことがありました。
その本とは北杜夫氏の『ぼくのおじさん』という小説で、借りたのはたしか読書にふさわしい秋の土曜日だったと記憶しています。通常であれば土曜日は大好きな半ドンなので、学校が終わると近所の友人とたっぷり遊ぶのがいつものパターンでした。しかし、あの大森君のイチオシ本を一刻も早く読みたくてたまらず、家に帰ると昼食もそっちのけでその本の世界に没入し、人生で初めてといっても過言でない程に濃厚な読書体験を満喫することができました。
冒頭のおじさんの紹介から笑いっ放しで最後まで一気に読み切り、こんな面白い本を教えてくれた大森君に対するリスペクトはますます揺るぎないものになっただけにとどまらず、さらには自分でもすぐに購入してその後もボロボロになるまで何度となく読み返し、現在もその本はぼくの本棚で最長老として君臨しています。
そんなわけで個人的には、この『ぼくのおじさん』という作品は少年時代の素敵な思い出がつまった特別な存在なのです。
ところがそんな大切な『ぼくのおじさん』が、ついに見つかってしまいました。
ご存知の方もいるかもしれませんが、この作品は映画化され今年の11月3日から全国で公開中です。
小説やマンガなどの実写化が原作を上回ることは極めて稀なことであり、原作と同等かやや下ならまだましな方で、ほとんどは目も当てられない悲惨な結果に終わるのが相場なため、自分の好きな小説やマンガはできるだけ実写化してほしくないと願っている人は多いのではないでしょうか?
実はぼくもその一人なのですが、そうはいっても『ぼくのおじさん』は1972年の作品だし、今さら実写化される可能性はまずないだろうと完全に油断していました。
まさか21世紀にもなって、この作品が見つかってしまうとは・・・
というわけで前回に引き続き、今回も最近観た映画の話になります。
ただ、この映画の公式サイトをチェックしてみたところ、大きな誤解をしていたようでした。
どうやら『ぼくのおじさん』はたまたま見つかってしまったのではなく、企画をした人が小学生の時にこの作品を読んでその面白さを忘れられず、「いつか映画化したい!」とずっと思い続けていたんだそうです・・・てっきり「誰でもよかった」の通り魔的犯行かと勘違いしていましたが、なんと狙いを定めた周到な計画的犯行だったとは!
さて映画を観る前に予習として久しぶりに原作を読んでみたのですが、正直なところ内心は結構ドキドキしていました。すなわち全く面白くなかったらどうしよう?と心配していたのですが、それはこの作品に対しても、そして大森君に対しても失礼な取り越し苦労に過ぎなかったようです。
あの頃と同じように冒頭のおじさんの紹介から十分に面白く、飛行機で自由席のように適当に席を取るおじさんには不覚にも吹き出してしまう程でした。
そしてその上で映画を観たのですが、映画の後で再び原作を読んでみると、つい先日読んだ時よりもはるかに面白く感じられたので驚いてしまいました。
普通に考えると久しぶりに読んだ時の方が面白いはずですが、映画を観たおかげで原作の素晴らしさを改めて再認識させられた次第です。
実写化とは自らを低めることにより原作を高めることであると初めて知り、そのストイックすぎる自己犠牲的な精神に感動してしまいました。
今後ともよろしくお願いします。

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