岡山県倉敷市阿知1-8-10 武部不動産ビル2F 倉敷 駅のほとりの心療内科 まくらぎクリニック

クリニックブログ

自己紹介

2018年09月11日

17年前のあの日あの時、ぼくは病院で当直をしていました。
当時はスマホのような便利なものもなかったので、医局という部屋のソファでのんびりと横になり、そこら辺にころがっていた雑誌を読みながら、適当に暇をつぶしていたように記憶しています。
幸いなことに特に呼ばれることもなく平和に時は流れ、そろそろ当直室に移動して睡眠でも取ろうかと考えていたところ・・・
突然ノックもなしにドアが勢いよく開けられ、何者かがドタドタと部屋に入ってきたので驚いてしまいました。
「大変じゃ、大変じゃで」
と銭形平次の子分のような大騒ぎで闖入してきたのは、なんとその病院の院長でした。
いささか失礼かとは思いましたが、
「あっども、お疲れ様でーす」
とソファで横になったままの体勢から挨拶すると、彼は視線をゆっくりと下に移しながらきょとーんとした表情を浮かべ、
「ん!?アメリカが大変なことになっとるけど、テレビもついてないし・・・ひょっとして知らんのかの?」
と呆れられてしまいました。
どちらがリモコンを操作したかは定かではありませんがテレビの電源が入れられ、そして、あの衝撃的な映像が目に入ってきた時のことは今も忘れられません。
「わしはの、この辺に留学しとったんじゃ。ここもの、よー行っとったんじゃ」
と航空機が高層ビルに突入していく画面を指差し、興奮気味に早口でまくし立てる院長を見ながら、しかしそうは言っても、ぼくにとっては安らかな当直タイムを台無しにした院長こそが、一種のテロリストなんだけどなあと思わずにはいられませんでした。
なおその病院には、先輩から後輩へと語り継がれてきた、とある伝説がありました。
なんでも当直中に酔っぱらった院長が夜な夜な出現し、一晩中からみ酒で大昔の武勇伝を聞かされ寝ることを許してもらえないのだとか、くわばらくわばら・・・
そんなテロ行為は日常茶飯事なので覚悟しておくようにと、実にいろんな人から忠告されたものでしたが、ぼくがそこで当直した1年半で襲撃されたのは、ただ1日その9.11の夜だけだったのです。
ちなみに、その院長で最も印象に残っていることといえば・・・
やっぱり、院長の診察場面を初めて見た時のことになります。
夜間に興奮状態で病院に搬送されてきた患者さんに、とりあえずは注射で眠って一晩を過ごしてもらい、翌朝にその方が目覚めた後に院長が会いに行くというので、同行させてもらうことになりました。
そのような患者さんの場合、昨夜のことははっきりと覚えていないことも珍しくなく、意識が戻って見知らぬ場所にいることに気付き、状況が把握できず混乱している方も非常に多いのです。
そんな時に、どんな風にして、非常事態に置かれた患者さんの心にすっと入っていくのか?
ずっと現場の第一線でやってきた、まさに百戦錬磨の院長はこんな時どうするのか、当時まだ経験の乏しかったぼくは、ワクワクしながら彼の後についていったものでした。
さすがは数々の修羅場をくぐってきた院長、熟練の足取りで軽やかに部屋に入っていきます。
しかし患者さんの前に立った時に、見知らぬ人物の予期せぬ登場に患者さんが身構えてしまうのは当然といえば当然のことでした。
でもここからがプロの腕の見せ所です、さあ院長がどうやってこの患者さんの閉ざされた心の扉を開くのか、一瞬たりとも目が離せません!
「おはよう、昨日は寝れたかの?」
「・・・」
「わしはの、、、」
「・・・」
「わしはの、あんたの命の恩人じゃ」

この自己紹介は、大学入学後すぐの挨拶で
「どうも、玉島一有名な18歳です」
とぶちかましてくれたOという男をも上回る衝撃の破壊力でした。
今後ともよろしくお願いします。

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